「絶望の隣は、希望や」。NHKの連続テレビ小説『あんぱん』のセリフです。
日々、洪水のようにあふれ出る膨大な数の言葉の中にも、多くの人が「わっ、いい言葉」と注目するような名言が、日々、生まれています。その中から「これぞ」というものを選りすぐった名言を紹介するのが「感動する名言グランプリ」。2017年にスタートしてから、今年で9回目を迎えます。2025年のノミネート作が発表されました。(構成/伝え方研究所 杉直樹)

2025年「最も素晴らしかった名言」は? 名言グランプリノミネート作発表

2024年のグランプリに輝いたのは、「理想は掲げ続けなきゃただのゴミくずですよ」という名言でした。

まず「名言グランプリ」についてですが、この企画は、ことし1年間にテレビ、ラジオ、新聞、SNSなどで発信された言葉の中から「感動する名言No.1」を決定するものです。

玉石混交の言葉の波が、日々、押し寄せています。その中から、

① 前向きな気持ちになる(挑戦を後押しする、頑張ろうと思える、気持ちが和む)言葉
② 新しい発見がある(当たり前を更新してくれる、視野を広げてくれる)言葉

「感動する言葉」と称し、総合的なバランスも勘案しながら、ノミネート作を10個に厳選します。

グランプリは、言葉にゆかりのある人や、経済界で活躍する人たちなど、幅広いバックグラウンドをもつ審査員が、毎年、熟議をかさねて決定しています。

前回2024年のグランプリに輝いたのは、
「理想は掲げ続けなきゃただのゴミくずですよ」
という名言でした。

日本で初めて女性弁護士となった人物をモチーフにした朝ドラ『虎に翼』で、主人公の佐田寅子(伊藤沙莉さん)が放った言葉です。「現実をちゃんと見ろ、理想ばっかり追いかけるな」との同僚の声かけに対して、主人公・寅子が怒りを抱きながら発した言葉でした。

審査員を務めた実業家の堀江貴文さんは、このように評価しました。

「まさにこの言葉の通りだと思っています。逆に、理想を掲げないで生きるとかって、あんまり意味ないんじゃないかと。あのドラマは、実際に理想を掲げ続けて世の中を変えてきた人のお話なので、非常に重みがあるなと思いました。
理想を掲げ続けても、周りは批判し続けてくるんだけど、批判するやつは何も考えてないんです。あとは、簡単なことではありませんが、自意識過剰になっていなければ、他人に言われることや世間的な評価は、気にする必要がなくなると思います」