さらに40代以降は、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が急速に低下することもあり、睡眠に対するカフェインの影響が残りやすい傾向があります。

 カフェインには利尿作用もあります。取り過ぎると体内の水分が失われ、軽い脱水症状になって、だるさや頭の重さを感じることもあります。

 目安としては、1日1~3杯を午後の早い時間までに飲むこと。できれば午後は、カフェインレスのコーヒーに切り替えて、カフェイン摂取を抑えるのがおすすめです。

コーヒーと相性の良い食べ物は?

 次に、健康面でコーヒーと相性の良い食べ物をご紹介します。

 まず、高カカオ(カカオ含有率70%以上)のチョコレートです。高カカオチョコレートに含まれるカカオポリフェノールは、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。

 高カカオチョコレートは砂糖が控えめで、カカオポリフェノールが糖の吸収速度を抑えるため、チョコレートの中でも血糖値の急上昇が起こりにくいのが特徴です。コーヒーを飲む時に甘いものが欲しくなる人は、この組み合わせにすると、血糖値の乱れが少なく、糖質摂取の量も自然に減らせます。

 ただし、高カカオチョコレートはカロリーと脂質が高いため、食べすぎはNGです。1日10~15g(2〜3片)を目安にしましょう。

 空腹感を抑えたいという人は、ナッツと合わせるのがおすすめです。ナッツの良質な脂質が糖の吸収を緩やかにし、マグネシウムがカフェインによる緊張を和らげます。そのため、仕事中の集中力が安定しやすくなるというメリットもあります。

 ただしナッツもカロリーが高いため、アーモンドやクルミなど、1日計10粒程度を目安にしましょう。

 朝にコーヒーを飲むなら、ギリシャヨーグルトを一緒に食べると、体への負担が大きく減ります。ヨーグルトのタンパク質と乳酸菌が、朝の空腹状態による血糖値の乱れを防ぎ、自律神経のバランスも整えてくれます。

 ヨーグルトは普通の無糖タイプでも問題ありませんが、水分が少なくタンパク質量が多いギリシャヨーグルトの方が、朝の血糖値の安定や満腹感の面でより効果的です。普通のヨーグルトを選ぶ場合は、無糖タイプにタンパク質が豊富なナッツを少し加えるだけで、同じようなメリットが得られます。

 最後に、コーヒーの選び方について。意外に知られていませんが、浅煎りコーヒーは酸味が強く、胃粘膜を刺激しやすいといわれています。一方で、深煎りコーヒーは酸味が飛び、苦味が主体になるため胃への刺激が穏やかです。胃が弱い人は深煎りを選び、さらに牛乳や豆乳を少量を加えると、胃への負担を抑えることができます。

 近年の大規模研究では、1日2〜4杯のコーヒーは死亡リスクを下げるという結果も報告されています。コーヒーは、飲み方次第で「体を整える一杯」にもなります。タイミングや量を意識して、健やかなコーヒーライフを楽しみましょう。