「血糖値」「コレステロール値」を下げる意外な栄養素とは?乾物や冷凍で超簡単に取り入れられる!写真へイメージです Photo:PIXTA

最近「第6の栄養素」として注目を集める食物繊維。一般的に知られている「お通じを良くする」働きだけではなく、私たちの体のさまざまな不調を改善してくれる優秀な栄養素なのです。今回は、食物繊維が豊富な食べ物を、毎日手軽に取り入れるコツをお伝えします。(管理栄養士 岡田明子)

2種類ある食物繊維
それぞれの働きは?

 食物繊維は「お通じを良くする栄養素」というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、それだけではありまぜん。

 一口に食物繊維といっても、2つのタイプがあります。水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」です。

 水溶性の食物繊維は、血糖値やコレステロール値を下げる働きがあります。また、腸内細菌のエサにもなり免疫や炎症をコントロールする働きもあります。海藻、オクラ、納豆、大麦などに多く含まれます。

 不溶性の食物繊維は、腸を刺激して便通を促します。野菜、きのこ、豆、雑穀、ゴマなどに多く含まれます。

 中高年になると活動量が減り、筋肉も落ちてきます。これに伴って腸の動きも鈍ってくるので、腸内環境を整えるためにも、両方をバランスよく取ることがポイントです。

 腸内環境が整うと、朝のトイレがスムーズになり、お腹がスッキリします。また、食後の眠気が減って、肌のくすみも取れてきます。これは、腸内細菌がつくる「短鎖脂肪酸」が、全身の代謝を高め、炎症を抑えるためです。つまり、腸を整えることは、体全体の若返りにもつながるのです。

 厚生労働省では、成人男性は1日に21g前後、成人女性は同じく17g前後の食物繊維を取ることを推奨しています(「日本人の食事摂取基準2020年版」)。

 野菜により食物繊維の量が違うので一概には言えませんが、目安としては、例えば葉物野菜や根菜などがバランスよく入った野菜サラダに換算すると6〜8皿分になります。この量を、毎日の食事で意識して取るのは大変ですよね。

 そこでおすすめなのが、「ちょい足し」の工夫です。