(2)数字はていねいに書く

 数字を雑に書いてしまうと、計算ミスや見間違いが発生します。特に小数点や桁数が多い問題では、数字のていねいさがそのまま正解率に直結します。私自身も授業中には子どもたちに「数字はきれいに、桁を揃えてていねいに」と繰り返し伝えています。数字をていねいに書くことは、ぜひ家庭でも徹底してください。

(3)図を必ず描く

 図を描くことは、中学受験算数において絶対に外せない習慣です。「頭の中で考えればいい」と言う子もいますが、難関校になればなるほど、頭だけでは処理できない複雑な条件が出てきます。シンプルな図でいいので、必ず条件を視覚化し、「何が分かっていて、何が分からないのか」を整理してから解き始めましょう。

 宿題や家庭学習では、授業で教わった解き方をそのまま再現できるかが重要です。算数が苦手な子は、授業で習った方法を使わず、「なんとなく解ければいいや」という意識で別の方法を試してしまうことが多いのです。授業で習った方法を確実に身につけるには、授業中と宿題前のひと手間が大切です。

・授業ノートの横に、習った解法をひと言でメモする(例:「面積図で解く」「差集め算」など)

・宿題を解く前に、必ずそのメモを確認してから取り組む

 この習慣が身につくことで、解法が頭に定着し、安定した成績につながります。

自力で解けるようになるまで
繰り返し問題を解き続ける

 中学受験算数では、一度解いただけで完全に身につく問題は稀です。特に間違えた問題や不安を感じた問題は、次のステップで徹底的に反復してください。

(1)1回目のミスは赤で直す

 ミスの箇所を赤ペンでていねいに直し、「何を間違えたか」「なぜ間違えたか」を短く書きます。これを「ミスノート」として管理します。

(2)翌日、もう一度自力で解き直す

 次の日の学習の最初に、ミスノートを見て問題に再挑戦します。そして、これを自力で完全に解けるようになるまで繰り返します。これを最低でも3回行うと、ようやくその問題が自分のものになります。