とはいえ、塾から出される宿題が膨大で、そこまで復習を繰り返すのが難しいという家庭もあるようです。その場合、家庭学習で丸付けをする際に、子どもの間違え方を把握しておくことで、復習すべき問題を限定することは可能です。
たとえば、単純な計算ミスなのか、問題から図を描き起こすことができないのか、そもそも問題を理解していないのか、など具体的にミスの種類を確認することで、問題別に何回反復すればいいのか保護者が決めてあげると効率的に子どもに知識が定着していきます。子どもの伴走をするなら、「子どもが何を間違えたのか?」「どう間違えたのか?」を記録することが親の役割としていちばん重要かもしれません。
毎日の反復学習を
効率化する方法
反復学習を効率的にするためには、テキストにマーキングをする習慣が不可欠です。マーキングの基準を明確にし、反復の優先順位をはっきりさせましょう。
A:一度でスムーズにできた問題(次回復習不要)
B:ちょっと時間がかかったができた問題(復習必須)
C:できなかった問題(最優先で復習)
このように「A」「B」「C」のランク付け(もしくはシールや付箋で色分けなど)を行うことで、「どの問題を」「どのタイミングで」反復するのかが明確になります。特にCの問題は最低3~4回、Bの問題も2~3回は繰り返し、確実に定着させましょう。
なお、「一度正解したからもういいや」と考えて、やらないのは非常にもったいないことです。正解しても時間がかかった問題や、偶然正解しただけの問題は「次も確実に正解できるか?」というと、かなり危うい状態です。
一度解けた問題でも、「解答に至るまでに時間がかかった問題」や「解き方がはっきり整理されていない問題」はBの問題としてマーキングし、最低でも2~3回は復習の機会を設けてください。
また、正解をしていた問題でも、模試で間違えてしまった場合などは、どうして間違えたのかを把握した上で、反復する項目に加えていきましょう。
反復学習のサイクルを
親子で一緒に共有する
このように科学的根拠に基づいた反復学習を取り入れることで、最初は苦手意識が強かった問題も、徐々にスムーズに解けるようになっていきます。
同書より転載 拡大画像表示
ただ「何度もやらせる」のではなく、科学的に効率のよい方法を明確に意識しながら反復することで、親子共々精神的にもラクになります。子どもに忘却曲線の説明をしてあげた上で、親子でこの学習サイクルを共有し、一緒に取り組めば、きっと苦手な問題を前向きに克服することができるはずです。
『「まだ伸びる!」をあきらめない 中学受験 子どもの成績の本当の伸ばし方』(ユウキ先生 KADOKAWA)







