壁打ちの場合、議題=「イシュー」は、多少あやふやでもOK。

「来年に向けて、なんとなく部署を越えたイベントをやってみたいなぁと考え始めたばかりで。よかったら壁打ちにつき合ってくれませんか?」

 そんな、ぼんやりスタートが許されるのが壁打ちの素晴らしいところです。

図表:会議と壁打ちの違い同書より転載
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壁打ちは会議と違って
丸腰で臨んでもOK

 議題がぼんやりしているので、ちゃんとした資料を準備できるはずもなく、「資料なし」の丸腰で話を始めても相手から失礼だと思われない。「壁打ちなんだから、そりゃそうだよね」と分かってもらえるという気軽さがあります。

 さらには、結論が出なくてもよし。なぜなら壁打ちの目的は、結論を導き出すことではなく、「言葉のやりとりを通じて、モヤモヤを言語化していくこと」だからです。

 30分や1時間話したところで、「あ~、なんとなく形が見えてきました!」という感覚をつかめたら大成功。きれいな箇条書きで結論を並べられなくても、「壁打ちなんだから、そりゃそうだよね」と受け入れられる寛容さがあります。

 だからといって何も進んでいないかというとそうではなく、壁打ち前と壁打ち後では明らかにモヤモヤがスッキリと整い、言語化レベルが上がっています。「ということは、次はこれをやるべきだ」とネクストアクションが見えて行動が始まる起点になる効果は大きいのです。

 つまり、「次の行動へと進める」という推進力のパワーは会議と同様にありながらも、会議よりもずっと気軽でハードルが低く、始めやすいというよさが「壁打ち」にはあるのです。

気軽に始められる壁打ちと
雑談の違いとは

 では、気軽に始められるという点で似ている「雑談」と壁打ちの違いは何でしょうか?