壁打ちでは仕事上の課題などがイシューとなりますが、1on1ではしばしば「メンバー個人について」がテーマになることがあります。マネジメント側がメンバーを知り、解決すべきことを一緒に考え、ときには個人的な悩みやキャリアの相談を受ける。壁打ちよりも深く互いを知ることができるコミュニケーションだと言えますが、仕事上での課題にフォーカスする場合には、壁打ちのほうがよりラフでスピーディであり、壁打ちを受ける側にも業務に関する知見が必要となってくるでしょう。
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1on1は精神的に、壁打ちは実用的にチーム間のグルーヴを上げてくれるコミュニケーションとして僕は捉えています。僕の場合は1on1もかなりラフなコミュニケーションになるように心がけていますし、そうあるべきだと思っているので、1on1の中に壁打ち的な要素が入ってくることがあるイメージです。
会議の推進力と、雑談のラフさと、1on1の関係性構築力、これらすべてのいいとこどりができてしまうのが「壁打ち」なのです。
あらためて、すげーーー!!!と感動しています。
壁打ちとブレストは
似て非なるもの
それでは最後に、もっとも近そうなブレストと比べてみましょう。ブレスト=ブレイン・ストーミングは、その語感から壁打ちとかなり近い印象があるかもしれません。しかし、実は明確な違いがあると気づきました。
それは、「イニシアティブ」です。
ブレストの場合は、複数人が1つのイシューについて対等に意見を交換し合うというイメージで捉えてみてください。Aさんの意見に対し、Bさんが意見を言い、またCさんも意見を出す。まさにストーミング(嵐)のようなアイデアの交換。参加者が対等な立場で、1つのイシューに向かってアイデアを出すので、あえて言うならイシューが主役になるでしょう。







