ゴンザレスはグループでの話し合いの記録をとり、メンバーが使う単語の一致度を調べてみたのですが、同じ単語を使えば使うほど、話し合いが終わった後にはお互いのメンバーに対して絆や親密さを感じやすくなることがわかりました。
同じ単語を使う方法は、面識のない人ともスムーズに親しくなれるという、まことに便利な心理テクニック。
ちなみに、カウンセラーやセラピストになろうという人は訓練中に「患者が使っている単語をそのまま使いなさい」という指導を受けます。わざわざ言い換えたりせずに、そのままおうむ返しにしなさいというのです。
患者が使っている単語を使うことで、「私はあなたの敵ではありませんよ、味方なんですよ」という意識を持ってもらうことができますし、患者に信用してもらえると治療効果も高くなるのです。
「なんだか私は職場で浮いた存在のように感じる」とか、「みんな私にだけよそよそしい」と思うのなら、その原因はおそらく言葉の使い方に問題があるのです。他の人と同じ言葉を使っていないので、馴染んでもらえないのです。
まずはしっかりと新しい職場の人たちがどんな言葉を使っているのかを観察しましょう。なぜかみんなが、「なる早」(なるべく早くの略)という言葉を多用しているのがわかったら、自分でもそれをどんどん使いましょう。他の人たちと同じ言葉を使うほど、仲間、同志として認識してもらえますからね。
【参考文献】
※1 Van Baaren, R. B., Holland, R. W., Stdeenaert, B., & Van Knippenberg, A. 2003 Mimicry for money:Behavioral consequences of imitation. Journal of Experimental Social Psychology ,39, 393.
※2 Gonzales, A. L., Hancock, J. T., & Pennebaker, J. W. 2010 Language style matching as a predictor of social dynamics in small groups. Communication Research ,37, 3-19.







