飛行中、主翼と胴体には、それぞれ逆向きの力が働いています。主翼が上向きの揚力をつくりだす一方、胴体は重力によって下方へ引っ張られています。つまり、翼には上向きの力、胴体には下向きの力が働き、そのため、相反する力を受けて、主翼は大きく上方に反り返ることになります。
その状態が続くと、翼の付け根に大きな力がかかり続け、そこから機体が損傷しないとも限りません。そこで、翼内に燃料タンクを置き、いわば「重し」にしてあるのです。
そうすると、主翼の反り返りを抑えられ、主翼の付け根にかかる負担が小さくなるというわけです。
このように、燃料タンクには、翼の反り返りを抑えるという目的があるため、主翼内の燃料タンクはその使用順が決められています。まず、胴体下の中央翼に内蔵されたセンタータンクから消費し、順次、主翼の付け根に近い位置の燃料タンクから使っていきます。その順番が、翼の反り返りを最も遅らせることができるからです。
滑走路に大きく書かれた数字の意味は?
各空港の滑走路には、「09」や「16」といった大きな数字が書かれています。それらの数字は、滑走路の方角を示しています。方位を36等分して、まず真北を最大の36とし、そこを0でもあるとし、時計回りにいくつ目の方向かを表しています。たとえば、「09」は真北から9つ目で、真北から時計回りに90度から100度の間を向いていることを示しています。
たとえば、羽田空港の場合、いちばん使用頻度の高い「A滑走路」は、南側の端に「34」と書かれています。これはA滑走路が、南側からアプローチすると、真北から36分の34番目、340度~350度の方向を向いていることを示しています。要するに、真北から北北西に10~20度の方角ということがわかるのです。
このように、滑走路に方向が明示されるのは、離発着時には、風の影響を大きく受けるためです。離陸時に揚力を得るには、向かい風に向かうのが最も効率的ですし、離陸時も着陸時も、横風にあおられると、機体のバランスを崩しやすくなります。最も、安全かつ効率的に飛ぶため、滑走路の向きが大書されているわけです。







