日本の空港の「交通アクセス」について独自の指標で評価し、アクセスが良い空港(悪い空港)をランキング形式で紹介する。(空港アナリスト 齊藤成人)

「飛行機か新幹線か」議論にも影響大!
JR東京駅から直通線の開業で便利になる羽田空港

 JR東日本は東京都心と羽田空港を結ぶ「羽田空港アクセス線」整備計画のうち、臨海部ルート(新木場~羽田空港)について2031年開業を目指すと明らかにした。既に東海道貨物線を利用し田町と羽田空港を結ぶ東山手ルートは着工済みで、これが完成すれば東京駅から羽田空港へ18分で直結する。

 何より利用者にとって便利なのは、都市名を冠した「東京」駅から空港まで直結することだろう。東京に長く住んでいる人、飛行機に乗り慣れた人にとっては「浜松町」(羽田行きモノレールの発着駅)や「品川」(同じく羽田につながる京浜急行線およびJRの駅)は耳慣れているかもしれないが、初めてアクセスする人にとっては戸惑う駅名だ。東京駅から東京の空港にダイレクトに行けるのは非常に分かりやすい。

 実現後、羽田空港はモノレール、京急に続き、JRという三つ目の鉄軌道系アクセスを確保する。英ヒースロー空港の鉄道(ヒースローエクスプレス、エリザベスライン)と地下鉄、中国・上海浦東空港のリニアと地下鉄など、複数の鉄軌道がアクセスしている基幹空港は他にもあるが、これで羽田空港は鉄軌道アクセスの便利さで世界トップクラスになるだろう。

 人々が空港の利便性を語る際、あるいは「飛行機を使うか、新幹線を使うか」を議論する時は、空港へのアクセスも含めて評価している。一般に日本の空港は“迷惑施設”として、都市部から離れた場所に建設されることが多いので、「なぜ、こんな立地に造ったの...!?」と批判されている空港も中にはある。そうした壁を乗り越えようと、大量輸送が可能で利便性の高い鉄道を空港まで敷くなど、関係者による努力が続いているというわけだ。

 そこで、今回は日本の空港のアクセスについて独自の指標で評価し、アクセスが良い空港(悪い空港)をランキング形式で紹介する。