「経営学の父」と呼ばれるのは誰か、あなたは即答できますか？
その名は――ピーター・ドラッカー。
彼が残した言葉は、時代を越えて世界中の経営者やビジネスパーソンの指針となっています。なぜ没後20年近く経った今も、ドラッカーは読み継がれ続けるのか。
『かの光源氏がドラッカーをお読みになり、マネジメントをなさったら』の著者である吉田麻子氏に、現代にこそ響くドラッカーのメッセージを伺いました。（構成／ダイヤモンド社書籍編集局 吉田瑞希）
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職場の「使えない人」、優秀なリーダーはどうする？
――著書『かの光源氏がドラッカーをお読みになり、マネジメントをなさったら』で何度も出てくるとおり、ドラッカーは「人の強みを生かす」と提唱していますね。しかし、現代の職場では“強みが見えにくい人”も多いです。どうすれば見抜けるでしょうか？
吉田麻子（以下、吉田）：ドラッカーは『現代の経営』でこう言っています。
強みは、必ずしもすぐ見えるとは限らない
吉田：とはいえ、実際の職場で“強み”がすぐ見えるとは限りません。
さあ、それではメンバー一人ひとりの強みを生かそう！と周りを見渡してみても、
・ Aさんは細かい仕事が丁寧だ
・ Bさんはハキハキしていて説明がわかりやすい
など、ぱっと強みがわかるメンバーもいれば、
・ Cさんは何事もそつなくこなすけれど、Cさんならではの強みとはなんだろう？
というように強みが見えにくい人というのもいるかもしれません。
その気持ちは、多くのリーダーが抱える悩みでもあります。
強みが見えにくい理由はいくつかある
吉田：これまでの付き合いの長さや場面の種類などによって、
「この人の強みはわかりやすい」「この人の強みはまだあまり知らない」ということもあるかもしれませんし、
・ 選択的注意によって実は見えているけれど気づいていない
・ 本人のメタ認知不足
・ 過去の成功体験を語れない性格
などによって、その人物がどんな強みがあるのかつきあっていても見えてこないということも考えられることでしょう。
強みが見えにくい人の強みをどう見抜くかについて、その方法を考えてみましょう。
