強みを見抜くヒントは、ドラッカーの言葉にある

吉田:ドラッカーは『経営者の条件』でこういっています。

「人に成果をあげさせるには、「自分とうまくいっているか」を考えてはならない。「いかなる貢献ができるか」を問わなければならない。「何ができないか」を考えてもならない。「何を非常によくできるか」を考えなければならない」

強みを見抜く二つの視点

・いかなる貢献ができるか
・何を非常によくできるか

この二つを見ていきます。

日々の業務の中に「強みのパターン」は必ず現れる

吉田:具体的には、日々の業務の中でその人がどんな行動をしているのか。そこにはどんなパターンがあるのか。

どのように感謝されているのか。
どのように他の人と違うのか。

備品の発注一つ取ってもそこにはその人なりの性格が出ます。

周りにも声をかけたり、業者さんと仲良く会話するフレンドリーなタイプの人もいれば、定期補充をルーティーン化してタイミングと個数を予測するなどデータに強いタイプの人もいるでしょう。

その仕事をどのようにやっているかを見ることで、生まれ持った資質であるその人ならではの強みを見出すことができます。

行動には必ず“無意識の得意さ”が現れるからです

「成果をあげる習慣的能力」の一つが“人の強みを生かす”

吉田:この「人の強みを生かす」という考え方は、『経営者の条件』で明示されている「成果をあげる5つの習慣的能力」のうちの一つです。

※余談ですが、この『経営者の条件』の5つの能力「時間を管理する」「どのような貢献ができるか」「人の強みを生かす」「最も重要なことに集中する」「成果をあげる意思決定をする」を修得すべく奮闘した主人公たちを描いたのが前作『人生を変えるドラッカー』(ダイヤモンド社)です

強みを見る眼は“反復”で育つ

吉田:これら成果をあげる習慣的能力は九九のように反復によって修得できるとドラッカーは言います。

最初は難しくても思考習慣としてぜひ身につけていきましょう。