「姉は、これは友達と呼べるような関係ではないと思ったと同時に、その背景の角度やラウンジの内装から、姉の会社が販売している極めて高級なタワマンの共用施設のものであると一瞬で見抜いたそうです。ストーリーズは24時間で消えてしまうため、これは証拠になるかもしれないと、慌ててスクリーンショットを送ってくれました。その画像からは『友達とのランチ』とはあまりにもかけ離れた、おぞましい関係がただよっていました」

 私は、愛絵さんに不貞があると確信しました。そしてこの1枚のスクリーンショットが、愛絵さんの不貞を裏付けるデジタル上の決定的な証拠のきっかけとなったのです。

「そういえば妻が昼間に出かけ始めた頃、僕が一人で娘を寝かしつけているとき、見慣れないぬいぐるみを抱いていたので聞いてみると『ママのおじさんに買ってもらったの』と言ったことがありました。詳しく聞いても1度しか会ったことがないおじさんらしく、親族でもないようでした。仕事も忙しくそれほど気にしていませんでしたが、その時から浮気していたのかもしれません」

 私はすぐに調査が必要だと思い、眞人さんと話し合いの準備にかかりました。

 調査の目的は愛絵さんの不貞行為が、常習的かつ特定の人物との間で行われているという、法的に有効な証拠をつかむことでした。

 愛絵さんは良くも悪くも素直なようで、出かける日はあらかじめ時間帯まで眞人さんに伝えていました。そのため調査日は簡単に絞られました。

高級タワマンに集まる若い女性たち
まるで日雇いのバイトのよう

 調査当日、申告通りの時間帯に家を出た愛絵さんは、実家に立ち寄り娘を預けて電車を乗り継ぎ、眞人さんの姉が特定したタワマンに入っていきました。

 外から見えるガラス張りのエントランスには、愛絵さんと年代の近い肌の露出が多めの女性が5人ほどいて、それぞれ、初めましてのようにペコリと挨拶をして、みんながそれぞれスマホを見ていました。その様子から友達のような気安い関係には見えず、日雇いバイトに集まった人たちのように感じました。