一番売れてる月刊マネー誌『ダイヤモンドZAi』のオンライン講座「決算書1枚で見つかる10倍株・連続増配株!」 。全4回の講座で、ザイのアナリスト2人が決算書を要領よく読むコツを徹底解説。第2回では、できれば避けて通りたいと思われがちな「貸借対照表」の重要性について、“超時短”で読むテクニックを学んだ。この記事では、その内容を一部お届けする。(ダイヤモンド・ザイ編集部)
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⇒その借金、返すのはいつ?“1年以内かそれ以上か”で企業の命運は大きく変わる【決算書1枚で見つかる10倍株・連続増配株!第2回:その2】
相場は強いのに「どれを買えばいいか分からない」
という声が増えている

ザイ優待アナリスト 小林大純(こばやし・ひろずみ) 早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社などを経て2022年6月より現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。

ザイ配当アナリスト 仲村幸浩(なかむら・ゆきひろ) 立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
仲村それでは、オンライン講座「決算書1枚で見つかる10倍株・連続増配株!」、第2回を始めていきます。
みなさん今日もよろしくお願いします!
小林よろしくお願いします、小林です。今日の収録日はちょうど9月末の権利付き最終日(2025年9月26日)。
配当・株主優待を狙って買いを入れた人も多いんじゃないでしょうか。
仲村今年の相場はここまで強いですよね。
日経平均株価が連日最高値を更新するような日もあって、積極的に買ったという方も、逆に“高すぎて買えない”という方もいたと思います。
小林しかも今日みたいに大きめの下げが来たりすると、「あれ?大丈夫?」と不安になる。
結局、地合いに惑わされないためには、自分で企業の“内側”を読める力が必要なんです。
仲村そのための決算書講座。第1回では“企業の成績表”である損益計算書(PL)を扱いましたが、今日のテーマはできれば避けて通りたいと思われがちな貸借対照表(BS)。
ここを克服すると、銘柄選びの軸がガラッと変わります。
小林まずは第1回の軽いおさらいから。
前回お伝えしたのは、決算書は大きく2種類。速報版の決算短信と、詳細情報が載る有価証券報告書ですね。
仲村投資家が最初に見るべきは決算短信。
しかもその中でも、最初の1ページ目に重要な情報が9割集まっているという話をしました。
小林1ページ目だけで、▽売上▽利益▽業績予想▽前年との比較が一目で分かる。便利なんですよね。
仲村ただし、売上や利益といった“稼ぎの情報”は損益計算書(PL)を見ればつかめるんですが――実はそれだけでは不十分なんです。
売上も利益も絶好調だったのに倒産
「日本総合地所」に学ぶ怖さ
小林ここで1つクイズをやってみましょう。上のスライドのA社とB社の銘柄があるとしたら、皆さんどちらの株を買うでしょうか?
仲村早速答えに行ってしまいますが、正解はB。
Aは日本総合地所という不動産会社で、直近の売上も利益も絶好調だったにもかかわらず、2009年に倒産してしまったんです。
小林グラフだけ見ると“買いたくなる”数字なんですよね。
むしろAとBを並べたら、A(=日本総合地所)を選んでしまう人の方が多いかもしれません。
仲村でも結果は倒産。PLだけで判断すると、この“破綻の影”に気づけません。
では、どこにその兆候が出ていたのか――その答えが貸借対照表(BS)です。











