なぜそんなことになるのでしょう。この種のトラブルのほとんどが、ゲームやSNSによるものです。
子どもたちは自宅に帰った後、夜の遅い時間までゲームやSNSをやりますが、その中で人間関係の不和が起こります。ゲームの中で裏切り行為をしたとか、SNSで変なことを書いたとかいったことです。
しかし、お互いがそれぞれの家にいては相手を罵ったり、手を上げたりすることはできません。そこで彼らは翌朝まで怒りを膨らまし、登校して相手の顔を見た途端に殴りかかっていくのです。
『傷つけ合う子どもたち 大人の知らない、加害と被害』(石井光太、CEメディアハウス)
学校の先生やクラスメイトたちは、深夜に2人の間で何があったのか知る由もありません。だからどちらが悪いのかも、どうやって止めるべきなのかもわからないのです。
子どもたちのコミュニケーションや遊びの主体がオンラインツールに移っている以上、このような暴力沙汰が頻発するようになったのはやむをえないことです。
しかし、保護者や先生が放課後のオンラインコミュニケーションにまで介入できない状況では、トラブルを未然に防ぐことはできません。
残念ながら、今後子どものスマホやゲームの利用時間が長くなればなるほど、登校と同時に起こる校内暴力は増加の一途をたどるのではないでしょうか。







