中には小学生くらいでも、大人と同じくらいの睡眠時間しかとらずに登校する子も珍しくなくなっています。就寝時刻も遅くなっている傾向にあります。
保健室が「仮眠室」
として使用されている
学校の先生も、子どもたちの睡眠不足は感じているようです。千葉県の小学校の先生は次のように話します。
「年々、授業中に眠たそうにしている子が増えているように感じています。寝坊して遅刻したなんて子は当たり前のようにいますし、ちょっと居眠りしてすっきりするというより、1時間目から5時間目までずっとうつらうつらしている子がクラスに数人いるのです。
そういう子はその日だけというより、週のほとんどが同じような状態なので、家であまり睡眠をとっていないのだと思われます。昔は保健室に行くのは体調が悪い時でしたが、今では眠いから保健室に行くという子までいるほどです」
保健室が仮眠室として使用される実態があるのには驚きです。
厚生労働省によれば、睡眠不足は子どもたちの身体的な発達を阻害するだけでなく、次のようなデメリットももたらします。
・イライラ
・注意力低下
・多動・衝動行為
・食欲不振
・集中力低下
・易疲労感
筑波大学の国際統合睡眠医科学研究機構長の柳沢正史氏は、TBSの取材に次のように回答しています。
「アメリカの9~10歳の小学生を対象にした調査で、睡眠不足の子どもは、そうでない子どもに比べてメンタル関連の指標が全て悪かったです。問題行動も多く、そして何よりも認知能力が低下してしまっていました。(中略)日本の調査で、睡眠不足の子どもは、『イライラしてることが多い』という質問に『うん』と答える傾向にありました。感情的にも不安定でイライラを募らせている」
睡眠不足の子どもたちにこのような特徴が見られれば、学校で瑣末なことで同級生や先生とぶつかって暴力を振るったり、物を破損させたりする子が出てくるのは容易に想像がつきます。
つまり、今の子どもたちは睡眠不足から自律神経が乱れており、それゆえ他人とぶつかりやすくなっているのです。







