小学生の暴言に傷つく大人も!?親が知らないオンラインゲーム「言葉のマナー」写真はイメージです Photo:PIXTA

現代において、オンラインゲームをやる人とやらない人には別の世界が見えていると言ってもいいかもしれない。オンラインゲームの中では、リアル社会ならまず起こらない「見ず知らずの若年ユーザーから暴言やいじめを受ける」ことがあるのである。その実態と背景とは。(フリーライター 武藤弘樹)

泣く大人、落ち込む大人
見事に効く小学生の暴言

 先日、妻が部屋から出てくると泣き崩れた。話を聞くと、先ほど一緒にオンラインでゲームをプレーした小学生(とおぼしき)男子2人に約10分間いびられ続けたというのである。

 その男子2人は友人同士らしく、妻だけ通話機能をつないでいなかった。2人は無言の妻に対して一挙手一投足に意地悪を言い、理不尽な文句を付け、さんざんいたぶった挙げ句に「部屋」を出ていったという。

 20歳近い年齢差があるとはいえ、悪意ある言葉はきちんと悪意を備えた言葉として機能する。妻は体の震えが止まらなくなり、頭が真っ白になって通話機能をオフにすることを思いつく余裕すら失って、小学生のサンドバッグとしてもてあそばれることとなった。非常にかわいそうである。

 また、知り合いの40代男性プレーヤーがネットゲームをプレーしていた際、同チームの小学生から「使えねーな」などとひとしきり、ののしられたことがあるという。彼はどう反応したかというと、「自分がへたくそだからいけないんだ…」と落ち込んだというのである。本当にかわいそうである。

 筆者は同じゲーマーとして、彼らの気持ちが痛いほどよく分かった。もし筆者が彼らの立場であったなら、確実に彼ら同様に傷つくか落ち込んだはずである。

 大の大人が小学生にへこまされるという事実は、たしかに面白おかしく思える一面もあるのだが、事態は結構深刻だ。何がまずいかというと、ネットゲームで人を傷つける振る舞いや言動を見せてしまう小学生が出てきてしまっている……点である。

 こうした現況になってしまった背景は、どのようなものか。そしてそれを改善するには、どうすればいいのであろうか。