そう、現代の児童ポルノでは、子ども自身が被害者だけでなく、加害者になる可能性があるのです。そしてそれは年齢や性別にかかわらず起きることなのです。

友達の着替え盗撮を拡散し
逮捕された女子中学生

 年齢や性別にかかわらないとはどういうことなのか。実際に起きた事件を2つ紹介しましょう。

 1つが京都で起きた同性間での事件です。

 犯人は18歳の男性でした。彼がSNS上で女性になりすまし、複数の男子高生にアクセスし、言葉巧みにだましてわいせつ動画を撮影させたのです。後日、それが露見したことによって、18歳の男性は児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されました。

 これは必ずしも、男性が自分より年下の女の子をターゲットにして行われるものだけが児童ポルノではないということを示しています。同性愛的な性的指向の下で、男性が意図的に男性をターゲットにすることがあるのです。

 もう1つが中学生によって起こされた事件です。

 加害者は中学校に通う女の子でした。彼女は知人の男性と共謀して、同級生の女の子の着替えを撮影したことによって逮捕されました。事件が表面化した時にはすでに、この映像は知人の男性の手にわたり、児童ポルノの世界に拡散されていました。

 一度ネット上に投稿されてしまえば、警察に頼んだところで映像を完全に削除するのは困難です。それによって何十年と耐えがたい苦痛を受けなければならない人もいます。これは、中学生の女の子であっても加害者になりえることを示す例です。

 こう見ていくと、うちの子は女の子だから加害者にはならない、とか、うちの子は男の子だから被害者にはならない、といった考えが誤った思い込みであることがわかるでしょう。

 今は性別や年齢に関係なく、加害者になりうる時代なのです。

小学生の悪ふざけには
性的な要素が紛れ込む

 それでは一体、どのようなプロセスで子どもが児童ポルノの加害者となるのでしょうか。ここではそのプロセスの代表的な一つ、「スマホを使った悪ふざけ」について見ていきます。

 子どもであれば、悪ふざけをするのは自然なことです。ただ、子どもの年齢によって、その悪ふざけに性的なことが入ってくるのかどうかが違ってきます。