保育園、幼稚園に通う未就学の子たちは、性をそこまで意識しません。そのため、悪ふざけをするにしても、性的な要素が絡んでくることはあまりありません。男女関係なく泥を投げ合うとか、追いかけ回すといったくらいです。

 ところが、小学校に上がってからは、徐々に悪ふざけの中に性的な要素が交じるようになります。

 小学校低学年くらいの悪ふざけとして代表的なのが、「スカートめくり」のような行為ではないでしょうか。それまでは男女入り乱れて大騒ぎするくらいだった悪ふざけが、男子と女子という性別を意識した上で、スカートをめくって下着をさらすという性的な行為になるのです。

 なぜこうしたことが起こるのでしょう。

 12歳前後の子どもたちの中には性的な関心が芽生え出すものの、まだそれをどのようにコントロールすればいいのかわかりません。それゆえ、悪ふざけのような何気ない言動の中に出すのです。

 子どもたちが思春期にこのような言動を見せるのは、誰もが通る成長のプロセスと言えます。こうした経験がまったくないという人の方が少数派です。

 ただ、悪ふざけと一括りにしても、内容によっては笑って済まされるものと、警察が介入するべき犯罪行為とがあります。実は近年、学校内で起こっている性的ないたずらが急激に悪質化しているのです。

 警察庁が2024年に公表した統計によれば、性的いたずら行為で補導された子どもの数は、2014年の188人から、2023年には350人にまで増えています。少子化の中でも、わずか9年で倍増しているのです。

性的いたずらの瞬間を
スマホで撮影して仲間と共有

 どうして、警察が介入するような悪質な性的いたずらが増えているのでしょうか。

 原因の1つにあるのが、スマホの普及です。彼らのなにげない悪ふざけに、スマホが使用されることによって、問題が深刻化しているのです。

 モバイル社会研究所の調べでは、現在の小学6年生のスマホやキッズ携帯の所有率は7割に上っています。親からもらっていなくても、国のGIGAスクール構想によって学校では子ども全員に1台タブレットを配布しています。これによって、実質的に子どもたちは誰もが情報端末を所有することになりました。