AIで完璧な資料を作った若手社員→ベタ褒めしていた専務が一瞬でブチギレた「まさかの理由」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

深夜、プレゼン資料の作成に行き詰まった若手社員。ワラにもすがる思いで無料の生成AIを使ったところ、あっという間に素晴らしい出来の資料が完成した。専務からも絶賛され、意気揚々と種明かしをしたその瞬間、専務の機嫌が悪くなり……便利なAIツールに潜む落とし穴とは?

<甲社概要>
都内に本社がある企業向け通信機器の製造・販売会社。従業員数は300名。大阪と名古屋に支社がある。
<登場人物>
A:営業課在籍の25歳
B:営業課長でAの上司。35歳
C:専務
D:甲社の顧問社労士

深夜の苦悩、AIとの出会い

「やばい、もう夜の12時じゃないか!」

 10月下旬のある夜、Aは焦っていた。翌日の午前中には管理職会議で、新製品のプレゼンを行わなければならない。そのためのスライド資料を作る必要があったが、もともと資料作りが苦手なAはなかなか手を付けられず、帰宅後も仕事をしようと開いたパソコンでYouTubeのお笑い番組を見ているうちに日付が変わってしまった。慌てて番組を止め、パワーポイントで数枚のスライドを作ってみたものの、すぐに行き詰まった。

「ダメだ。続きが思い浮かばない。B課長はともかく、C専務は資料の出来にはうるさいから、それなりのものを作らないと……どうしよう」

 頭を掻きむしりながら悩んでいたが、らちが明かず、再びユーチューブに戻って動画を見始めた。その時、画面に流れた広告の一文に思わず目を止めた。

「もう資料作りに悩まない。入力するのはテーマだけ。AIが自動で構成・デザインまで提案!無料で今すぐ試せます」