【8位】
「弱さを認めることこそが、強さへの出発点」
森遥香さん[アナウンサー]-劇場版『鬼滅の刃』を観て

今年の1番の名言は、黒柳徹子さんの人生訓! 名言グランプリでふりかえる2025年

2025年も、大ヒットした映画『鬼滅の刃』。全世界興行収入で1000億円を突破し、日本映画として初めて大台に到達したというニュースもありました。

この作品を観るたび「強さとは何か」を考えさせられるという、アニメ大好きアナウンサーの森さんは、「強さは生まれつきではなく、弱さを認める勇気から育つ」ということを登場人物たちから学んだそうです。

審査員のコメントです。

坪田信貴さん(坪田塾 塾長)
「僕はいつも、学習指導する時に、目標だけじゃなくて、現状を把握することがすごく大事だと思っています。テキストでも、初級、中級、上級ってあったら、みんな中級、上級ばっかり選ぶんですけど、僕から見たら、初級からやった方がいいよっていう人がめちゃくちゃ多いんですよ。本当に強くなりたかったら、絶対に基礎・基本からやった方がいいし、自分はこういうところが駄目だ、でも、だからこそ伸びしろがあるんだっていう視点が、すごく大事。その積み重ねをやることが、大事なんじゃないかなと常々思っています」

山口真由さん(信州大学社会基盤研究所特任教授・ZEN大学教授)
「世論のバッシングで気づくのは、強者と弱者が容易に入れ替わる不思議さです。叩いてもいいと思っていた強者は、実は反論もできない弱者だったりもする。自分自身の弱さを抱きしめたい。それこそが他人の脆さへの寛容を生み、真の意味での強さを作ると思います」

【9位】
「きこえても、きこえなくても、人生は人生」
佐々木琢磨さん[東京2025デフリンピック出場 陸上選手]

今年の1番の名言は、黒柳徹子さんの人生訓! 名言グランプリでふりかえる2025年

もともとは野球少年だったという佐々木選手。

のちに代表選手にまで上りつめることとなった「デフ陸上」という競技に出会ったのは、健聴者との会話に限界を感じて野球をやめ、将来が見えなくなったときだったそうです。

人生の価値は、他者と比較できるものではないし、どんな人生にも、その人なりの物語がある。そんな哲学がにじみ出るような言葉です。

審査員のコメントです。

坪田信貴さん(坪田塾 塾長)
「最近、移民とか、排外主義とか、多様性とか、いろいろ言い方はありますが、文化背景がそれぞれ違う人たちが、尊重しながらやっていこうねという流れがある中で、『きこえても、きこえなくても、人生は人生』に、2025年らしい納得感がありました。同じグループの人たちで行くってなりがちな時代なので、『それぞれ、いろんな人生があるけど、それは聞こえても聞こなくても、人生は人生だよ』というのは、今年を象徴する名言だと思いました」

田中里奈さん(プロデューサー/モデル)
「すごく強い言葉だなと思いました。言い訳のなさが潔いというか、自分も違うシーンではありますが、自分に言い聞かせて頑張れる、前向きになれる言葉だなと思いました」

【10位】
「甲子園で優勝できるまで育ててくれて、ありがとうございました」
眞喜志拓斗さん[沖縄尚学高校・野球部主将]
ー夏の甲子園の優勝インタビューでお母さんに向けて

今年の1番の名言は、黒柳徹子さんの人生訓! 名言グランプリでふりかえる2025年

夏の甲子園で、優勝した沖縄尚学高校の眞喜志拓斗(まきし・たくと)キャプテン。

優勝インタビューで、アナウンサーから「きょうはお母さまの誕生日なんですよね?ここからお祝いの言葉を送ってみませんか」と、うながされて発言したのが、この感謝の言葉でした。

優勝インタビューを聞きながら、顔を覆って泣くお母さんの姿が中継に映ると、球場全体が、あたたかい拍手につつまれました。親子の間で、あえて敬語で伝えた点も、球児の巣立ちを思わせるドラマ性が感じられるような、心がじんとする言葉です。

坪田信貴さん(坪田塾 塾長)
「甲子園で優勝したときに、18歳ぐらいの男の子が、お母さんに『ありがとう』って、まず言えないですよね。どっちかっていうと、彼女にアピールしたいとか、かっこよく思われたいって思う気がする。ただ心から出てきた言葉なんだろうなと思う。お弁当を作ってくれたり、風邪を引いたときに世話してくれたり、そういう日々に対する感謝を積み重ねをしていたからこそ、チームメイトに対しても感謝が生まれて、優勝に持っていけたんじゃないかなと思います」

佐々木圭一さん(『伝え方が9割』著者)
「これは一人のお母さんに対して言っているのですが、日本全国のお母さんが感動したと思います。全国のお母さんが、少し子どもに優しくなれる言葉のような気がしていて、こんな小さな言葉であったとしても、それが広がることによって、私も含めて人の気持ちが、ちょっとでも前向きになればと思います」

以上が、「名言グランプリ2025」の結果でした。

今年の1番の名言は、黒柳徹子さんの人生訓! 名言グランプリでふりかえる2025年

さて、「言葉」という視点で世の中を見わたすと、ニュースでは、悲しいできごとが連日のように伝えられています。一方で、前向きで人の背中を押すようなポジティブな言葉も、実は、同じようにたくさん生まれています。名言グランプリに集まったのは、その中でも、強く、強く人の心を動かした、頂点の名言たちです。

さまざまな言葉の中から、あえて希望を感じる言葉に目を向けることには、どんな意義があるでしょうか。審査員として参加した堀江貴文さんは、このように総括しました。

「最近、生成AIが普及していくなかで、人間らしさって何だろうと考えるんです。初めて人間っぽい生成AIが出てきたきっかけが、大規模言語モデル(LLM)だったんですが、それが、非常に面白い。人間らしさって、言葉だったんだなって。全てが全てそうではないけど、僕たち人間が『人間らしいな』って思うのは、言葉の力なんです。
人間は言葉によって賢くなって、文化文明をつくることができるようになったと思っていて。一つの言葉が人々を突き動かす力というのは、かなり大きなものがある。我々、現生人類が地球上で最強の生物になった一番大きな理由は、言葉でコミュニケーションができるようになったことですよね。一つの言葉をみんなが信じて、ある意味、フィクションではあるんですが、それをみんなが理解して、その一つの言葉で一致団結して、集団的に行動を取れるようになったこと、これが強いと思っているので、こうやって普遍的な人類に残る名言を見つけ出して、広めるって活動には、大きな社会的意義があると思っています」

膨大な言葉の波にそのまま流されて消えてしまうのは、あまりにもったいない。「名言の表彰」というこの試みが、人類の発展につながる、小さなきっかけとなれば幸いです。

名言は、今この瞬間も、生まれています。2026年、私たちはどんな名言に出会えるでしょうか。

<名言グランプリ 特設サイト>https://ugokasu.co.jp/tsutaekata-gp/

【伝え方研究所とは?】
シリーズ世界累計259万部を突破した『伝え方が9割』の著者・佐々木圭一が代表を務める株式会社ウゴカスが、2021年9月に立ち上げた研究機関。「あした、もっと伝え上手に。」をコンセプトに、日本人のコミュニケーション能力のベースアップを目指して、調査・研究を行っています。活動の一環として、研究所のサイトやSNSにて、ビジネスパーソンがスマホひとつで“伝え方”の悩みを解消できるお役立ち情報や、各界の名言なども発信中。
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