「名言」で1年を振り返る「名言グランプリ」。2025年も、心に響く言葉が豊作でした。朝ドラ『あんぱん』の名言! 甲子園で優勝した沖縄尚学高校のあの名言! 黒柳徹子さんの意外な半生を踏まえた名言! などなど、明日への希望を感じさせる宝物のような言葉が、たくさん集まりました。年間300以上の名言を収集する「伝え方研究所」が、この1年をふりかえり、特に素敵な10の名言をノミネート。著名人ら計7名の審査によって決まった、「今年もっとも感動した名言No.1」を発表します!(構成/杉直樹)

今年の1番の名言は、黒柳徹子さんの人生訓! 名言グランプリでふりかえる2025年Photo: AFP=時事

2025年のグランプリに決定したのは黒柳徹子さんが40代、50代にむけて送った言葉でした

今年、もっとも感動した名言を決める「名言グランプリ」。2017年に始まり、今回で9回目となります。

2025年のグランプリは、著名人ら計7名による審査を経て、
「好奇心の扉だけは、常に開けておいた方がいい」
という名言に決まりました。

あるインタビューで40~50代へのアドバイスを問われて話したものです。

「名言グランプリ」は、人類を前に進める宝石のような言葉を探しだし、本来の言葉の力を見つめ直そうとする取り組みとして、スタートしました。

言葉にゆかりのある人や、経済界で活躍する人たちなどを中心に構成される審査員が、毎年、熟議をかさねて決定します。それぞれの審査員の得票を集計し、もっともポイントが多く集まった名言を、その年の「グランプリ」として表彰することにしています。

2025年は、各種メディアから300以上の名言が集まり、10の言葉がノミネートされました。今年、発表された結果を、審査員のコメントとともにご紹介します。

<審査員一覧>
■田原総一朗さん(ジャーナリスト)
■山口真由さん(信州大学社会基盤研究所特任教授・ZEN大学教授)
■堀江貴文さん(実業家)
■坪田信貴さん(坪田塾塾長)
■田中里奈さん(プロデューサー・モデル)
■土江英明さん(ダイヤモンド社編集者)
■佐々木圭一さん(『伝え方が9割』著者)

今年の1番の名言は、黒柳徹子さんの人生訓! 名言グランプリでふりかえる2025年写真:真剣な表情でディスカッションを行う審査員ら

【グランプリ】
「好奇心の扉だけは、常に開けておいた方がいい」
黒柳徹子さん[女優、タレント]ー40~50代の人へのアドバイスを問われて

今年の1番の名言は、黒柳徹子さんの人生訓! 名言グランプリでふりかえる2025年

いろんな「なりたいもの」を試しては、
「向いていない」と気づく日々を過ごしてきたという黒柳さん。

意外なことに、今の職業も、最初から目指していたわけではなかったそうです。
黒柳さんは「『なりたい』と思った職業に就いた人は少ない。90%は、私のように“偶然”なんです」と話したうえで、「将来、どんな出会いがあるかなんて誰にもわからないんだから、好奇心の扉だけは、常に開けておいた方がいい」とアドバイスをしています。

何事にもトライする好奇心を大切にすることで、人生は開ける。そんな可能性を示す黒柳さんのこの言葉は、行き詰まった時に、きっと希望の光を差してくれるはず。そんな名言です。

審査員のコメントをご紹介します。

田中里奈さん(プロデューサー/モデル)
「『まさにもうこれ私』って感じで生き方として強く共感します。
そして、黒柳徹子さんが4、50代の方へのメッセージとして伝えた言葉だと思いますが、私はこの言葉を敢えて若い人たちに届けたいと思いました。最近は流行りでMBTIやイエベ、ブルベとかラベリングして、合わないものは『NO』となりがちだけど、そうじゃないものも好奇心をもってトライして欲しいなって思います。それでないと、合う人やものだけで生きていくことになってしまう。だからあえてこの言葉を届けたいと思って1位に選ばせていただきました」

坪田信貴さん(坪田塾 塾長)
「AIの時代、人間ができることって何だろうなと。AIをうまく使っていくためにも必要なのが、好奇心なんじゃないかなと」

山口真由さん(信州大学社会基盤研究所特任教授・ZEN大学教授)
「ふとした瞬間に“中年の危機”という言葉を思い出します。自分の可能性を自ら限定して、そんな繰り返しに飽いている。『なんにでもなれる』なんて非現実的な応援歌はいらない。ただ、おもろいと思う瑞々しい感性がモノクロの日常に彩りを与えてくれるのだろうと思います」

田原総一朗さん(ジャーナリスト)
「これは素直に共感です。好奇心の扉だけは開けておいた方がいい。まさにその通り。素晴らしいです」

つづいて、第2位には、「旅先で出会った名言」が選ばれました。