マーサ役は「圧倒的にお芝居が巧かった」
苦悩するマーサを演じたミーシャ・ブルックスも日本が好きで、本当は日本語がうまいそうだ。
最後に彼女について、橋爪國臣チーフ・プロデューサーのコメントを紹介しよう。
「ミーシャはオーディションで決めました。日本には黒人女性でお芝居をされている方はあまり多くありません。アメリカ在住のとても才能のある役者さんで、日本でお芝居をしたいという方がいると紹介をいただき、日本に来てもらってオーディションに参加してもらったら、圧倒的にお芝居が巧(うま)かった。
しかも日本のことが大好きだそうで、過去に日本に留学した経験もあり日本語が堪能なんです。奈良県でホームステイをしていたそうです。ハーバードを卒業してMITでも学ばれ、それで俳優をしている才媛です。台本の理解力もとても高く、芝居の基礎も学んでおられていて、すばらしい演技をしてくれました。
トミーは『ばけばけ』ではふだん、日本語がたどたどしい演技をしていて、それも巧いですが、マーサと英語での芝居をするトミーを見ると、彼の本当の演技力がわかる気がしました。アメリカの空気感みたいなものが出ていると思います。ミーシャさんの住んでいるところがシンシナティの近くだそうで、まさにぴったりだったのではないでしょうか。
トミーはマーサとオフの時間も英語でずっと喋っていました。おそらくこの数カ月、日本語中心の現場にいて疲れも出てきた頃でしょうし、息抜きになったのではないかと思います」
橋爪CPの話を聞いて、番宣に出てくるトミーはいつも快活で、日本語もうまく、サービス精神にあふれて見えるが、ひとり日本に来て、母国語を存分に使えない環境に身をおいているのはやっぱり大変なのだろうなあと思った。まさにヘブンの気持ちを身をもって経験しているのだろう。