「お金のこと、周りの人より苦手かも……」。そう思ったこと、ありませんか?
この連載では、年間100世帯以上の相談にのっている発達障害専門のFPで自身もADHD当事者である『発達障害かもだけど、お金のこと ちゃんとしたい人の本』の著者・岩切健一郎氏が、お金について解説します。読者からは、
「お金に苦手感のある人は全員読んだ方がいい」
「簡単だけど役立ちます」

といった喜びの声が届いています。発達障害の人も、そうじゃない人にも役立つヒントが満載です。
※現在、正式な診断名は「発達障害」から「神経発達症」へ変更になっていますが、この連載では広く知られている「発達障害」という表現を用います。(構成/ダイヤモンド社・宮崎桃子)

お金が貯まる人が「年末」にやっていること【年間100世帯の家計を見てわかった】Photo: Adobe Stock

お金が貯まる人が「年末」にやっていること

 12月といったら何を思い出しますか?
 クリスマス?
 鍋料理?
 大晦日?

 私はお金に関する仕事をしているのもあり、12月といえば「ボーナス」「賞与」が思い浮かびます。

 冬の風物詩であるボーナスですが、お金が貯まる人、貯まらない人の差が出るポイントでもあります。お金が貯まる人は、年末にボーナスが出たらまず、「予算組み」をします。

 例えば冬のボーナスが30万円だとしたら、

・10万円 → 帰省に使う
・20万円 → 貯金

 といったように、使い道をあらかじめ決めるのです。

 いろんな人のお金の相談を受けていてよく聞くのが、
「ふだんなかなか貯金できない! ボーナスが出たら貯金しよう」
 というセリフです。

 こう言いながら実際に貯金に回せていればOKです。でもお金が貯まらないと嘆く人の多くは、

 貯金は、ボーナスを頼りにしている
 ↓
 でもボーナスが出たら、結局使ってしまう
 ↓
 そして何に使ったかは答えられない

 というルートをたどります。

「気づいたらなくなってる」のが一番こわい

 何にボーナスを使ったかを答えられる人はいいんです。

「新しいパソコンを買いました」
「海外旅行に使いました」

 こんなふうに使い道がはっきりしている場合、金額も明確にわかりますから。
 でも一番こわいのは、何にお金を使ったかわからないのに、ボーナスがなくなっていることです。

 私も以前、気づいたら冬のボーナスの全額約40万円が消えていたことがあります。
 何に使ったんだっけ……と明細をさかのぼると、当時、毎晩通っていた立ち食い寿司代として溶かしていたことがわかりました。

 立ち食い寿司に40万円……。正直、自分の行いに、自分が引きましたよね。

 ボーナスが出たら、まずは予算組みです。 
 ぜひ年末の予定に組み込んでみてください!

わかっちゃいるけど、行動に移せない人へ

 もちろん、わかっちゃいるけど面倒だという人、先延ばしする人もいると思います。
『発達障害かもだけど、お金のことちゃんとしたい人の本』ではこう書きました。

 それでもやる気が起きない時もありますよね。そんな時は1人ではなく、ぜひ誰かと一緒にやってみてください。家族でもパートナーでもネット上の友人でも構いません。

――『発達障害かもだけど、お金のこと ちゃんとしたい人の本』より
 1人で難しいことは、誰かと一緒にやってみる。この仕組みを発動すると意外とサクッとできたりします

――『発達障害かもだけど、お金のこと ちゃんとしたい人の本』より

 大切なボーナス。1年を誰かと一緒に振り返りながら、使い道を考えるのも、楽しいですよ。

(本記事は、『発達障害かもだけど、お金のこと ちゃんとしたい人の本』の著者・岩切健一郎氏が書き下ろしたものです。)