エサも暖房も輸送も
パッケージも円安の影響大

 大抵の場合、商品価格というのは、製造などにかかったコストに事業者の利益などが積み重ねられる形で決まります。

 卵を製品として出荷するためには鶏が存在しなければなりません。当然ですが、鶏は育つまでに一定の期間が必要となりますし、卵を産むようになってからも餌を与え続ける必要があります。

 鶏の餌となる飼料は主にトウモロコシから作られるのですが、実はトウモロコシを使った飼料というのは多くが輸入に頼っている状況です。世界でトウモロコシを大量に、かつ安く生産できるのは米国などごく限られた国だけであり、安価に飼料を調達しようと思うと、どうしても輸入に頼らざるを得ないのが現実といえるでしょう。

 ここ2~3年の間に進んだ円安によって、輸入飼料の価格は大幅に高騰しました。鶏に与える飼料価格が上がれば、当然、養鶏事業者にとってはコスト増加要因ですから、出荷価格を上げないと採算が合わなくなります。

 しかも、コストが上がっているのは餌だけではありません。寒い地域の養鶏場の場合、鶏の体温が低下しないよう暖房を使う必要があり、その場合には灯油代や電気代などが必要となるケースもあります。

 また産み落とした卵をパッケージにして商品化するにはプラスチック類など石油由来の資材を使いますし、商品を各地に輸送するにはトラックなどの移動手段が必要となります。トラックに使われるガソリン(あるいは軽油)も石油から作られます。日本は石油のほぼすべてを輸入に頼っていますから、円安になって輸入価格が上昇すると、ガソリン価格も大幅に上がらざるを得ません。

 養鶏事業者からすると、飼料代が上がり、パッケージや輸送にかかる費用も増えているということになりますから、今までの値段ではなかなかやっていけないというのが実情でしょう。

「安くて当然」とみなされた
産業はもはや持続できない?

 一方で卵というのは「物価の優等生」と呼ばれ、私たち消費者からすると安くて当たり前という感覚が今でも根強く残っています。

 そうなるとスーパーなど小売店として卵を売っている立場の人からすると、卵は目玉商品ですから、できるだけ安く売ろうと努力することになります。