2 スポーツは積極的休息になる(セーチェノフ効果)
「右手ばかり使う仕事をしていて疲労が起こった場合、握手の疲労を早く回復させるには何もしないで休んでいるよりも左手を動かしたほうがはるかによい」と唱えたのは、大脳生理学者、イワン・セーチェノフ。疲労を感じたらただ横になったり、ダラダラ過ごすよりも、体を動かす、上肢を使ったら下肢を動かすなど、疲労の偏りをなくすと、脳の視床下部がリフレッシュされ心身が回復します。
3 スポーツによる楽しさや喜びは心身の緊張を解消する
スポーツの動き、競争、技術の進歩、仲間との一体感や共存の楽しさは、ストレスを受けると分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)やコルチゾールといった“ストレスホルモン”の量を50%減らすと言われています。
運動の種類ですが、有酸素運動であればストレッチのような低強度の運動よりも、中・高強度のレジスタンストレーニング(編集部注/筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動。いわゆる筋トレ)のほうがよいという研究結果があります。
有酸素運動をしないと
脳は年間1~2%縮小
このように、研究では運動強度をある程度上げると、ストレスに対処できるという結果が出ていますが、ウォーキングなどの低強度の運動でも自覚症状の改善は認められているため、まったく効果がないわけではありません。
『痩せる!パーソナリティトレーニング:成功も挫折も人格がすべて』(中野ジェームズ修一、小学館クリエイティブ)
特に外を歩き風や外の空気を感じられるウォーキングやジョギングはよい刺激を得られるのでおすすめです。
ストレス反応により肥満や糖尿病になったとき、食事の摂取量や内容をコントロールすることはさらなるストレスになります。
でも、ちょっと強度の高い運動をすれば、そのストレスを自動的に軽減してくれるといえます。
ちなみに有酸素運動は、脳の一部、海馬の体積を増やすといわれています。海馬とは情報の整理や記憶を保持するなどの役割を担いますが、健康な人でも年間1~2%、加齢によって体積が減少することがわかっています。
アメリカのイリノイ大学で60歳以上の男女120人を週3回のウォーキングをするグループとストレッチをするグループに分けて1年間経過を観察したところ、ウォーキングをしているグループは海馬の体積が2%増えたのに対して、ストレッチグループは1.4%萎縮した、という研究結果が得られました。







