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ドイツ歴40年の筆者によれば、ドイツ人は日本人より年間30日以上多く休んでいるにもかかわらず、労働生産性は約1.4倍で、賃金も高いという。彼らの効率的な仕事ぶりは、時間に対するシビアな考えから生み出されている。ドイツ人の人生を充実させる時間管理術に迫る。※本稿は、ダヴィンチインターナショナル代表取締役の松居温子『9割捨てて成果と自由を手に入れる ドイツ人の時間の使い方』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。
他人軸で動く日本人は
無駄な時間を過ごしやすい
日本人は他人軸で、ドイツ人は自分軸で生きている。その違いは、職場にもよく表れています。
当時、ドイツで働いていた日本人の女性から聞いた話です。
自分の仕事が早く片づいたので、ドイツ人の同僚が担当している仕事を、空いた時間で処理したそうです。同僚に感謝されると思ってしたことであり、彼女にとっては気遣いのつもりでした。
ところがドイツ人の同僚からは「私の任された仕事を取らないでちょうだい!私はそれでお給料をもらっているんだから!」と、ひどく怒られたそうです。
日本人の彼女は、呆気にとられました。よかれと思ってやったのに、何で怒られるの?と。気遣いがある人だと思ってもらえるどころか、怒られてしまった彼女は、すっかり落ち込んでしまったそうです。
日本人とドイツ人の考え方の違いが、如実に出た事例だと思います。
周りのみんなのことを考えて行動した日本人の女性と、請け負った仕事の責任を果たしたいドイツ人の同僚とは、感覚が相容れません。日本人の女性にとっては、ドイツ人の反応が、まるでわからなかったと思います。







