
「今の仕事が一段落したら休もう」と思いながらなかなか休めないというビジネスパーソンは少なくない。しかし、それでは気がついた時には寝ても取れない疲れが残ってしまう可能性があるのだ。休養学の専門家が、戦略的に休む方法を解説する。※本稿は、片野秀樹『寝てもとれない疲れが消える マンガでわかる休養学 最高のパフォーマンスを生む休み方』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
ドイツ人が新年最初に
話し合う「重要事項」
攻めの休養を実践する際に有用な考え方や技術・ヒントをみなさんに示したいと考えています。まず、リカバリーということについて考えてみましょう。
リカバリーの定義は次のようになります。
心身の活動能力が減退した機能(疲労の状態)を回復し、休養を持って生理的・心理的な資本である活力をたくわえて次に備えること。
ビジネスパーソンにとって、活力は心と体の大事な資本です。フル活動するためには資本が十分でないといけません。次のアクションのために必要な活力をしっかりたくわえておくこと、それがリカバリーの目指すところとなります。
私が住んでいたドイツでは、3月が事業年度末の日本と違い、年末で1年が終わります。1月1日から次の年度がスタートしますが、新年の初めにドイツの人たちが何をするかというと、それぞれのメンバーがその年の長期休暇をいつとるか、みんなで話し合うのですね。