将来の時間に望みを託すのではなく、やりたいことは「いま」やるのが正解。早く手を付けるほど、幸福を得られる保証は、たしかなものになります。

 試しに、退職後に趣味やパートナーとの旅行を楽しんでいるお知り合いがいたら、聞いてみたらいいでしょう。いま充実していますか?と。

 充実していると答える人も、ほぼ間違いなく「もっと早くにやっておけばよかった」と、付け加えるのではないかと思います。

ドイツ人の休暇は
最低でも2~3週間!?

 ドイツ人はみんな、休暇をたくさん取れるように、制度でも会社のルールでもサポートされています。日本のように長くてもお盆休みの9日間……とかは、考えられません。

 休暇は最低でも2~3週間。スペイン、フランス、イタリア、オランダなど(ドイツ人は特にスペインやイタリアなど暖かいエリアが大好き)の隣接している国に、気軽に車を飛ばして、滞在を思いっきり楽しみます。アジア旅行に出向く人は、1カ月ぐらい滞在します。

 遊びが好きな一方で、ぼんやりしている時間も、ドイツ人は大好きです。

 旅行の滞在先のホテルで、プールサイドで寝そべり、読書したりドリンクを飲んだり、のんびり昼寝したり……。そんな何気ない日常の休暇の過ごし方で1週間を使いきったりすることも、ドイツ人の自由な時間の過ごし方です。

 日本人の感覚だと何もしなくてもったいない休暇だと思うかもしれませんが、彼らとしてはその時間を満喫しているのです。

 日本人は、仕事が人生の中心で、休暇はあくまで疲れやストレスをとるために旅行や実家に行くものという位置づけをしがちです。

 ドイツ人ももちろん、普段の仕事のストレス解消のために、休暇を利用する目的もあります。しかし、あくまで人生の主体を、休暇中の自由な時間に置いています。

「いつか」に期待するのではなく、「いま」やりたいことをやる。そんな時間の使い方をしているのです。

 ここでは、ドイツ人のように長期間の休暇を取ろうと言っているのではなく、休暇期間に関係なく、その時を楽しんでみようというわけです。