永遠に繰り返したい時間を
いま過ごせているか?
哲学は、人生に有益な考え方を、たくさん教えてくれます。その1つが、時間は有限であるという真理です。
ニーチェは“永劫回帰”という概念を提唱しました。
私は哲学の専門家ではありませんが、ニーチェの「永劫回帰」は、人々にこのような問いかけをしていると解釈してみたいと思います。
「いまこの瞬間、あなたがしていることが、永遠に、何度も何度も、全く同じように繰り返されるとしたら、それを心から受け入れられますか?」
つまり、つき合いで残業をしている時間、好きでもない人たちとなんとなく過ごしている時間、自分の実現したい夢を先延ばしにしている時間……こういった時間が永遠に繰り返されるとしたら、あなたはそれを望みますか?
永劫回帰とは、未来や過去に逃げず、「この瞬間をどう生きるか」に最大限の覚悟を持て、という挑戦状と解釈すると、もし「この瞬間を、何度繰り返してもいい!」と思えるなら、あなたはすでに「いまを生き、いまを楽しむ」ことができていることになります。
逆に、そう思えないなら、自分の幸せな時間を過ごしていないということになります。
難しく考える必要はなく、ドイツ人の「いまを楽しむ」「心から楽しむ時間」に集中するというドイツ人の生き方に適した概念です。
やりたいことを後回しにするほど
人生は長くはない
会社員を長く続けている日本の社会人の多くは、「退職したら好きな趣味だけをして楽しみたい」とか「定年後はパートナーと旅行したいと思っています」と言います。
ですが、本当にしたいことは、いますぐ実行に移しましょう。「たられば」を考えていると、本当にしたいことができないまま人生が終わってしまいます。
目の前にありもしない、歳を重ねたあとの自分の時間に意識を向けるより、「いま」を充実させることを意識したほうが、間違いなく幸せです。
定年退職した後、趣味を好きなだけ楽しんだり、パートナーと旅行に行ったりする体力と経済力が残っている保証は、どこにもありません。極端な話、生きているかどうかさえ確実ではないのです。







