なぜか。手続きが複雑で、医療費控除との併用ができないからだ。つまり、制度設計自体が中途半端で役に立っていないのだ。
課題解決の鍵を握る薬剤師
報酬体系の見直しが必須
私は薬剤師の役割ももっと拡大すべきだと考えている。
現在の日本の薬剤師は、医師の処方箋通りに調剤するだけの「調剤マシーン」に近いという批判も出たりする。実際には多くの業務を担っていてこれは誤解ではあるものの、しかし薬剤師の専門性や可能性を活かしきれていない、極めてもったいない状況なのは事実だ。
薬剤師は6年間も大学で学び、薬の専門知識を持っている。適切なOTC医薬品の選択、服薬指導、医療機関にアクセスするべきかどうかといったアドバイスなど、もっと主体的な役割を担えるはずだ。
実際、調剤報酬も「対物業務」から「対人業務」へとシフトする方向で改定が進んでいる。しかし、まだまだ不十分だ。軽症患者の相談に応じた場合の報酬体系を確立し、薬局を「プライマリ・ケアの拠点」として機能させるべきだろう。
では、どうすればいいのか。私なりの提案をしてみよう。
1:OTC類似薬の段階的な保険適用除外
まず「湿布」から始める。ドラッグストアで買えばいいのだ。1回の処方枚数に上限があるような薬は、そもそも保険適用の必要性が低い。次に風邪薬、そして花粉症の薬と、段階的に保険適用を外していく。
2:セルフメディケーション税制の抜本的改革
現在の複雑な制度を簡素化し、医療費控除との併用も可能にする。さらに、マイナンバーと連携させて、購入履歴が自動的に反映されるシステムを構築する。手続きの煩雑さをテクノロジーで解決するのだ。
3:薬剤師への権限委譲と報酬改定
軽症患者の初期対応を薬剤師に委ね、それに見合った報酬を設定する。イギリスのように、薬局への紹介システムを確立し、医療機関の負担を軽減する。
4:健康リテラシー教育の義務化
義務教育の段階から、OTC医薬品の基礎知識を教える。どんな症状なら市販薬で対応できるのか、いつ医師に相談すべきなのか。この「判断力」を国民全体で共有することが重要だ。
もちろん、この提案には反対意見もあるだろう。







