AI時代を生き残るには
勉強しかない

 近年、AIの進歩が凄まじい勢いです。1カ月おき、いや1週間おきに新しい機能が追加され、バージョンアップされている。日進月歩で進化しています。その進歩についていくのは、簡単ではありません。

 生成AIを利用している個人を国別に調べた調査(2024年版情報通信白書、総務省)では、中国(56.3%)、アメリカ(46.3%)に対して、日本は9.1%にとどまるという悲惨な結果が発表されました。最近では、もっと数字は高いでしょうが、「利用している人」と「全く利用していない人」「活用できていない人」の格差が、歴然と広がっているのです。

 AIを積極的に使っている人と、ほとんど使っていない人。言い換えれば、最新テクノロジーを徹底的に学び、ビジネスに活いかし、仕事を効率化している人。テクノロジーの進歩に全くついていけずに、ほとんどさわったこともない人との二極化が、確実に進んでいるのです。

 あなたはどちらの側でしょうか。AIを使いこなせていますか?

 5年後、10年後に、AIを全く使えていないとしたならば……。それは現代において「スマホを全く使えない」のと同じようなこと。かなり深刻な状況だと思います。

 AIに限らず、新しい技術、サービス、テクノロジーに興味を持つのか、関心を持つのかは、頭が良い、悪いとは全く関係ありません。「好奇心」があるかどうかです。

『勉強脳』書影『勉強脳』(樺沢紫苑、サンマーク出版)

 好奇心の源となる脳内物質、アセチルコリンは、「新しいもの」を好みます。好奇心が旺盛でアセチルコリンが活発な人は、新しいAIサービスを見れば、「まず使ってみよう」と思うし、使いこなしたくなるのです。

 AI時代において、好奇心と学びの意欲にあふれた「AI強者/AI巧者」。ハイテクを敬遠してしまう「AI弱者」。その二極化は確実に進んでいます。

 無理して、苦しみながら新しいテクノロジーを学ぶのではなく、好奇心を高めて、楽しみながら学んでいただきたい!いや、新しいことを学ぶことこそが楽しく、人生を豊かにするのです!そこに、気づいて欲しい。

 無理して頑張るのではなく、「おもしろそう」「楽しい」の延長線上に、AIを使いこなしている自分がいるのです。