把握可能感と処理可能感を持てば
余計な不安に振り回されない

「把握可能感」は、自分が置かれている状況を把握したり、これから降りかかることを予測できる感覚です。

 今の状況を把握したり、これからの出来事を予測したりできるので「なんとかなる」と思える範囲が広がります。

「把握可能感」が強ければ、「自分はこれくらい勉強してきてるから、それくらいやれば、まあこの試験ぐらいなら対応できるだろう」というように、自分の能力や状況がざっくり把握できます。

「100点ではないけれど、80、90点はとれて合格はできるだろう」みたいに全体が見えていて、だいたいの今後の予測が立っている。

「処理可能感」はまさに「なんとかなる」と思う感覚そのものです。自分の問題を自分の手で処理できる、そうした自信のようなものを指します。

「処理可能感」が強ければ、「どうしよう」「ダメだ!もうちょっと勉強しなきゃ」などと、よけいな思考や不安で脳の容量をあまり使わず、「これまでもある程度の問題は解けたし、この試験は対処できる」と感覚的にわかります。

 試験に臨むに際しても「まあ、なんとかなるだろう」と思えます。

 だから不安が弱くて、適切な勉強量で合格できるのです。

 こうした「把握可能感」や「処理可能感」を自分で伸ばすのはなかなか難しい面もあるかもしれません。

 でも、「そういう感覚がある」と知っているだけでも、人生ちょっとは違うんじゃないでしょうか。

 それとね、「把握可能感」や「処理可能感」って、今までなんとかなった経験の積み重ねでも培われると思います。

 みんなけっこう忘れちゃうんですよね。これまで生きてこられたということは、全部をなんとかしてきたはずなのに、それを覚えていない。

 今まで生きてこられたんだから、これもなんとかなる。大丈夫。

 だから、まずは今までの人生で「なんとかできた記憶」を思い出してみるのもいいでしょう。

 そんなふうにいろんな角度から「なんとかなる」の守備範囲を広げていきたいですね。

 いい具合に「余裕」が生まれて、ラクに生きやすくなるのではないでしょうか。