『打合せ相手の信頼を一発で失う“最悪の言葉”・ワースト1』
それを指摘してくれるのが、400以上のチームを見て「人と協力するのがうまい人の特徴」をまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)だ。「チームの空気が変わった」「仕事仲間との関係性が良くなった」と話題の一冊から、その考え方について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

打合せ相手に嫌われる「失礼な人」が無意識に口にする言葉・ワースト1Photo: Adobe Stock

その「ひと言」で信用を失う

 取引先との関係がなぜか深まらない。
 打ち合わせをしても、どこか距離が縮まらない。

 そんな人に共通している“無意識の口ぐせ”があります。

 それが、

「会議室が空いていないので、カフェで打ち合わせでもいいですか?」
「とりあえずこの辺で打ち合わせしましょう」

 といったひと言。

 一見フランクで親切そうに見えますが、実はこれ、取引先からの信頼を一発で失う言葉です。

 なぜならこの言葉は、「あなたと本気で向き合う準備ができていません」というメッセージとして伝わってしまうからです。

“信頼関係”構築の第一歩とは

『チームプレーの天才』という本には、こう書かれています。

共創で物事を進めていく上で最も大事な体験。それは「対話」です。
――チームプレーの天才』(146ページ)より

 つまり、信頼関係のスタート地点は、「落ち着いて対話できる場をつくる」ことなのです。

 ところが現実には、会議室がない、場所が確保できない、作業スペースがない――

 そんな場の不備を相手に強いてしまうケースが少なくありません。

 これでは相手は、「この会社は本気で向き合う気がない」と感じてしまいます。

好かれる人は、「場づくり」を軽視しない

 では、信頼される人は何をしているのか。

 答えはとてもシンプルです。

 まず“対話ができる場”をつくる。

 静かに話せる環境を選び、来訪者が作業やオンラインミーティングをこなせるスペースを準備し、相手が落ち着いて話せる時間と空間を確保する。

 たったそれだけで、取引先は「大切に扱われている」と感じ、信頼が深まります。

『チームプレーの天才』でも、こう書かれています。

その活動やプロジェクトに関わる人を本気で増やしたいのなら、他領域の人たちと共創を進めたいのなら、落ち着いて対話ができる場が欠かせません。
――チームプレーの天才』(146ページ)より

 つまり、場づくりそのものが、仕事の関係構築の“第一歩”なのです。

 取引先は、「あなたが何を話すか」以上に、「あなたがどれだけ誠実に向き合おうとしているか」を見ています。

 その最初のメッセージが、“場づくり”なのです。

「相手と安心して話せる場をつくる」

 その小さな配慮こそが、取引先から長く信頼されるための最初の一歩です。

(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の内容を引用したオリジナル記事です)