『AI時代に生き残るのは、“チームプレー”ができる人だ』
そう思わせてくれるのが、400以上のチームを見て「人と協力するのがうまい人の特徴」をまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)だ。「チームの空気が変わった」「メンバーとの関係性が良くなった」と話題の一冊から、その考え方について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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協調性のなさを表す「ひと言」
新しいプロジェクトが立ち上がるとき、必ずといっていいほど現れるタイプがいます。
「全員、最初からフルコミットで参加してくれないと困る」
一見、プロジェクトへの責任感が強いように聞こえます。
しかし実は、この言葉こそ“協調性がない人”の特徴ワースト1です。
なぜなら、協調性とは「全員が同じように動くこと」ではなく、「人それぞれの事情や温度を理解する姿勢」そのものだからです。
「全員フル参加」が招く落とし穴
『チームプレーの天才』という本では、こう語られています。
新たな活動や、通常業務外の活動であればこそ、いきなりフル参加を求めるとせっかくの動機や関心を損なう場合も。
――『チームプレーの天才』(62ページ)より
新しい取り組みほど、人は慎重になります。
「様子見したい」「まずは少しだけ関わりたい」
そう考えるのは、極めて自然な反応です。
にもかかわらず、フル参加が前提という空気を押しつけてしまうと、関わりたかった人さえ離れていきます。
協調性のある人は、「関わり方の選択肢」をつくる
一方で、協調性のある人は、関わり方をひとつに絞りません。
『チームプレーの天才』では、こんな提案がされています。
その活動への様々な関わり方や、小さな「関わり代」を設計し、許容してみてはいかがでしょうか。
――『チームプレーの天才』(62ページ)より
週1回だけの参加でもいい。
まずはオブザーバーでもいい。
補佐役として関わるのでもいい。
リモート参加でもいい。
協調性のある人がつくっているのは、誰でも入りやすい入口なのです。
「プロジェクトを妨げる人」の正体とは
関わり方を固定し、「全員同じように動くべき」という前提を押しつける人は、プロジェクトの多様性を奪い、メンバーの動機を削ぎ、チームの拡大を妨げます。
つまり、プロジェクトを成功させるうえで最も危険なのは、「関わり方の多様性を否定する人」というわけです。
逆に、柔軟な関わり方を許容するだけで、プロジェクトは広がり、協力者が増え、自然と動き始めます。
プロジェクトに、多様な関わり方を受け入れられる設計をつくる
その一歩こそが、協調性のある人のふるまいであり、チームを前進させる本当の協働につながります。
(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の発売を記念したオリジナル記事です)







