ドナルド・トランプ米大統領は約1年前にホワイトハウスに復帰し、製造業ブームを約束した。そしてそれを実現した。中国で。中国の鉱工業生産は今年、過去最高を更新した。工場で自動車、機械、化学製品がかつてないほど生産されたのだ。関税関連の混乱にもかかわらず、財の貿易黒字も過去最高を更新した。アジア、欧州、中南米、アフリカ向けの輸出が増え、トランプ関税による米国向け直接販売への影響を相殺したためだ。低い貿易障壁を基盤に米国向け販売を拡大してきた中国企業は適応し、場合によっては回復している。5月には、低価格の家庭用品、美容製品、衣料品を米国消費者に提供するという、中国発格安ネット通販大手Temu(テム)のビジネスモデルはほぼ終焉(しゅうえん)を迎えたかに見えた。関税措置に加え、米国へ小包を無関税で送れる抜け穴をふさぐ新規制が導入され、売り上げに打撃を受けたのだ。