結婚してしばらくして気付いたんだけど、自分の仕事は沢山の人をターゲットにしているぶん、身近な人を楽しませることを疎かにしてしまいがちなのかもしれない。朝起きてから夜布団に入るまでずっと頭も体も仕事に奪われてしまって、その間家族は虚しい気持ちになっているのかもしれない。

 でも、自分がこうして仕事をしているのは家族を路頭に迷わさないようにするためでもあるのだから、結果的に自分の仕事は家族を笑顔にしているってことだよな、なんて勝手に納得していた。だけど、娘に観せるためだけに時間をかけて編集した動画を観て娘が笑い転げているのを見た時、100万人に楽しんでもらうのも、1人に楽しんでもらうのも、どっちが凄いとかでもなくて、どっちも良くて、すごく価値のあることだと気付いた。

『明るく生きているつもり』書影『明るく生きているつもり』(はいじぃ、KADOKAWA)

 楽しませる手段がお笑いのネタでも、食べ歩き動画でも、どっちでも良くて、楽しんでもらえるなら自分が動画の中に登場していても、していなくても、どっちでも良くて、僕はこんなに暗そうな雰囲気を出してて無口なくせに、自分のアクションで人が喜んでくれたら嬉しい。

 でもアクションを起こすのは恥ずかしいから基本あまりやりたくないっていうねじれ方をして、無理矢理にでもやらなきゃいけない状況を作るために今の仕事をしているんだろうなって感じなのだと思う。

 どんなに凄い達成感があっても幸せには慣れてしまう。だからあまり上に目標を設定しなくてもいい。娘1人が笑うだけで何日か幸せに過ごせるくらいなんだから。

 僕はこれからも精力的に動画を作っていきたいと思っている。けど、主役じゃなくていい。主役は観て楽しんでくれる視聴者さんでいい。