(3)「アマゾンで買ったほうがお得」と思わせる
→これは、元の金額と比較して安くなっていることを印象づける「アンカリング効果」を狙ったものですが、同時に「お得に買えた」というポジティブアフェクトを与えるための戦略でもあります。
以上3つの「アフェクト」活用例のようにアマゾンは非常に簡単でわかりやすく、ユーザーの手間をうまい具合にはぶいてくれています。すべてがサクサクと進むことで、ユーザーはアマゾンに対して「便利だ」「わかりやすい」というポジティブアフェクトを抱きます。そして気に入って、「次もまたアマゾンで買おう」と思わせるのです。
アマゾンが重視しているのは
むしろ「ネガティブアフェクト」?
人は何かに対してポジティブアフェクトを抱くと「この商品を買おう」「この人を応援しよう」などと考えるようになります。ネガティブアフェクト(編集部注/なんとなく嫌い、イラッとする、ちょっと苦手など、人を後ろ向きにさせる感情)を抱くと「やめておこう」「もうちょっと検討しよう」と思うのです。
特に意識しないでいると、私たちはポジティブアフェクトだけを重要視しがちです。つまり、どうすれば好感をもってもらえるか、よい印象を与えられるかに腐心します。
しかしアマゾンの場合、本当の意味で重視しているのは、顧客のネガティブアフェクトではないかと私は感じるのです。人がどんなときに「めんどうだから買い物するのはやめよう」と思うかをとことん研究し、ネガティブアフェクトが生まれてくる要素を徹底的につぶしているのです。それは、たとえばこんな場面です。
・以前買った商品の名前はなんだったっけ?検索するのがめんどうだな
・今すぐ○○を買いたいんだけど、選択肢が多すぎて選べない
・この値段は本当に安いのかな。もっと安いものがあるんじゃないか
・商品を選んで、カード番号を入力して、名前や住所を入力するのはめんどう
・今すぐ欲しいのに、何日も待たなきゃいけないの?
そんなネガティブアフェクトをユーザーが抱かずにすむように、とことん考え尽くしたことがアマゾン戦略の柱なのです。







