「VSE」後継車両の内装は
ガラリと変わる見込み
ロマンスカーは「GSE」の他に、通勤特急主体の30000形「EXE」「EXEα」、地下鉄直通の60000形「MSE」があるが、「GSE」2編成体制のままでは観光向け列車の増発は困難なため、新型車両の導入が必要になる。
そんな中、11月17日に小田急が発表したのが、VSEの後継車両と位置付ける展望席付き車両「80000形」の開発計画である。プレスリリースによると、2029年3月のデビューに向けて「きらめき走れ、ロマンスカー」をコンセプトに開発を進めるという。
きらめきとは「陽の光をきらきらと反射しながら波紋を広げる水面」のイメージだ。小田急グループの事業エリアは、多摩川をはじめとした河川、富士山を望む箱根の芦ノ湖、江の島の相模湾など、「水」との関連が強い。
「VSE」は「白いロマンスカー」、「MSE」は「青いロマンスカー」、「GSE」は「赤いロマンスカー」だったが、「水」がテーマの80000形は淡い水色の車体となる。側面外板には水面の波紋を想起させる曲線的な形状「ゆらぎ」を設ける。
「80000形」の先頭車イメージ。右上は70000形「GSE」(小田急プレスリリース画像と公式ウェブサイト画像を合成)
両先頭車は展望席と2階運転席の前面ガラスを一体化し、水の雫をイメージした大型ガラスの構造となる。イメージイラストはかなり奇抜に見えるが、「GSE」と並べると基本的な構造は類似していることが分かる。
連接構造(10両編成)の「VSE」とは異なり、「GSE」はボギー車(車体ごとに台車を2つ備える一般的な構造)7両編成となった(編成長はほとんど変わらない)。少数生産の車両をゼロから設計するのは効率が悪い。80000形も同様の7両編成になることから、基本的なメカニズムは「GSE」を踏襲するようだ。







