「帰るから会いたい」別れた元夫(寛一郎)から手紙…4年ぶりの再会、目的は復縁?〈ばけばけ第61回〉

まるでお化け屋敷デート

 こんな大事そうな手紙をなぜすぐに見せない? トキはフミに不満を感じるが、深夜残業のトキに手紙を渡すのが朝になっても仕方ないことである。

 緊張しながら手紙を読むと、そこには、4月の最初の土曜日に松江に来るから会いたいと書かれていた。

 4年ぶりに連絡してきた銀二郎の目的とは?

 明らかに「あれ」だろうなあと視聴者の誰もが思ったことだろう。

「もしやよりを戻そうと?」松野家は色めき立つ。

 とりあえずヘブンにお休みをもらうことになった。

 トキ、初めてのおやすみ。

 ここで疑問を感じた視聴者もいると思う。はじめてだと?

 小谷春夫(下村恭平)とのランデブーは半休だったから休みには数えない?

 それ以外は一度も休みをもらっていない? いったい労働基準法はどうなっているのか(ないない)。

 ともあれ、トキはお休みをもらおうとするが、なかなか話を切り出せない。

 その日は、昨日の「小豆とぎ橋」の舞台と言われる橋に行く。これも遊びではなく、滞在記のための取材という名目になるのだろう。

 この橋は、普門院の近くにあるとされている。その昔「小豆とぎ橋」という橋では、夜な夜な女の幽霊が現れ、橋の下で小豆を洗うという言い伝えがあった。ここで謡曲「杜若(かきつばた)」を謡いながら歩くとよくないことが起きると言い伝えられている。清光院の「松風」と同じパターンである。

 トキとヘブンは昼間だし、試しに歌いながら渡ってみることにする。これもひとつの学問のための実験と言っていいだろう。

 だが、真面目な実験というよりは、お化け屋敷デートみたいな感じ。ドキドキしながら、歌いながら歩きだすが、ヘブンがこわくなって引き返そうとして、松の枝にぶつかり、焦った拍子にトキに抱きついてしまう。やっぱりお化け屋敷デートである。

 ヘブンはトキの帯についた根付けが小豆洗いだと気づく。

「よくご存じでー」とちょっとキャラになりきったような声を出すトキ。

 小豆洗いといえば、銀二郎。トキはお気に入りの妖怪・小豆洗いに彼が似ていると思っていた。

 それで思い出したようで、ようやく、休みがほしいと切り出す。