松風の呪い?

「やっぱり我々といったらここですよね」

 トキと銀二郎は清光院にいた。

 銀二郎は紳士的にトキの手をとる。洋服姿と洋風な所作がすっかり板についている。

 ちょっと間をおいて、トキはその手を握る。

 銀二郎の見た目は変わったが、「ここは変わらんね。初めて来た時と同じ。おトキちゃんも変わらん」としみじみ。

「え いや わたしは」

 なんだか微妙な言い方をするトキ。彼女も変わっているのだ、たぶん。

「でも今でも怪談好きでしょ」と銀二郎は言うが……。

「(こうしてまたふたりでここに来て)松風も驚いちょるかもしれませんね」なんてことを言っていると強風が吹いて、「松風かな」とその場を楽しむふたり。

 銀二郎が西洋化して、怪談を軽んじるようになっていたら、どうしようかと不安な視聴者もいたのではないだろうか。でもそれはなくて、銀二郎はまだ怪談が好きだった。

 そのあと月照寺に。銀二郎が一度見てみたかった大亀。「これが大亀かー」とはしゃぐ。

 もうさ、元サヤでいいじゃん。お似合いだよ、経済的にも十分だし、と思う視聴者も少なくないだろう。

 筆者は銀二郎派なので、タイトルバックに描かれているラブラブなトキとヘブンを思うと、胸が痛くてたまらない。

 だがしかし、「え」。

 月照寺にヘブンとイライザ(&錦織)も来ていて、鉢合わせ。

 イライザ「誰なの?」
 ヘブン「あーわたしの女中と……」

 蛇(渡辺江里子)と蛙(木村美穂)のようにわたわたしてしまう展開である。

 もしかしてこれは松風の意地悪なのか。

「奥さん?恋人?」→ヘブンの返事が…シャーロット・ケイト・フォックス(イライザ)の顔が雄弁〈ばけばけ第63回〉
「奥さん?恋人?」→ヘブンの返事が…シャーロット・ケイト・フォックス(イライザ)の顔が雄弁〈ばけばけ第63回〉