
イライザはトキを「おっちょこちょいのメイド」呼ばわり
主題歌明け。イライザが紹介される。ヘブンと同じ新聞社の仲間で、今回はヘブンが彼女を日本に呼んだそうだと錦織が説明する。
「君のことはヘブン先生からおっちょこちょいのメイドだと聞いていると」と錦織はイライザの話を訳してトキに伝える。
「はい?」「そげな陰口」とトキは心外そうだ。
リヨ(北香那)がいなくなったら今度はイライザ。牽制(けんせい)しあう女たち。
「全部通訳しなくていいから」とヘブンは錦織に釘を刺す。なんだか二股交際をしている人が困っているみたいな感じである。
余談だが、イライザを演じているシャーロット・ケイト・フォックスは現在再放送中の『マッサン』(2016年度後期)のヒロイン・エリーを演じているが、「マッサン(玉山鉄二)、王様! 私、女中?」と日本では男性優位で妻を「女中(ハウスメイド)」扱いしていると憤慨する場面があった。
閑話休題。銀二郎が月照寺に大亀の怪談を聞きに来たと言うと「怪談!」とヘブンが激しく食いつく。
「師匠」とトキに怪談の話をはじめ、「師匠?」とますます状況がわからなくなっていく銀二郎。
トキとヘブンはお構いなしで、大亀の話で盛り上がる。
置いてきぼりは銀二郎だけではない。イライザも、だ。
「この頃は毎晩遅くまでおトキさんが語って聞かせているから、それで師匠を呼んでいる」
生真面目な錦織の説明に、
銀二郎「毎晩?」
イライザ「2人きりで?」
疑惑は色濃くなるばかり。
銀二郎は明らかに不安そうな顔。イライザは冷静を装っているふうに見える。寛一郎とシャーロット・ケイト・フォックスのリアクションの芝居が絶妙だ。
トキとヘブンはいつもの怪談語りをお寺ではじめる。そんな急に部屋を開けてくれるなんて親切なお寺なのか。
ロウソクもいつものように1本用意して「松江藩六代藩主松平宗衍公の頃のお話でございます」とトキがはじめる。
通訳しようとする錦織をヘブンが制する。
「師匠の話。あなたの話。あなたの言葉。あなたの考えでなければなりません」
それだとイライザがわからないが、イライザはそれでいいと了承する。
トキはいつもの調子で日本語で語りだす。じっと聞き入るヘブン。
大亀はかつて、真夜中になると動き出し、往来に繰り出しては人を食い殺していた。人々は恐れをなし、松江城下の人通りはすっかり減ってしまった。亀はお寺の住職に説き伏せられ、自ら大きな石碑を背負い、二度と動けぬよう自らを封じたという言い伝えである。
話のなかで「往来」という言葉が出て来ると、ヘブンにはわからない。錦織や銀二郎が説明しようとするが制して、トキに説明させる。
完全にふたりの世界ができあがっていることを感じて、不安なイライザと銀二郎。







