猫だって同じです。大きな猫は仔猫が食べる量を気遣い、自分の分を与えるのです。

 桃を切り分ける問題について、二種の解法があることがこれでわかりました。等分する解法と、無造作に切ってなかよく食べるという解法です。

 前者をソルブといい、後者をリゾルブといいます。

問題を簡単に“片づけ”ようとするのか、
問題性に深く関わっていくのか

 ソルブとは英語での表現、solveの日本語的カタカナ読みです。

 これは15世紀には「溶かす」という意味のラテン語でしたが、そこから今ではもっぱら「解く」とか「解決する」という意味で使われるようになったものです。

 数学のテスト問題を解くのはソルブです。戦争で兵站(必要な人員、兵器、食糧の保管や輸送など)を効率よく用いる方法を考えて結論の戦略を出すのも、ソルブです。

 要するにソルブとは、物を動かしたり組み合わせたりすることによって問題を解決することを指します。

 リゾルブは英語での表現、resolveのカタカナ読みです。

 リゾルブは、物を動かして解決するのではなく、その問題にかかわるみずからの態度や考え方を変えることによって、問題を含んでいた状況から問題性を抜いてしまうという解決の仕方を指します。

 たとえば、相手との対決が問題となっている場合、相手との関係を良好にすることによって対決という問題を解消してしまうのがリゾルブです。

 ソルブならば、相手と戦って相手を力で負かしてしまうという物理的な解決となります。だから、戦争はソルブそのものであり、和平にはリゾルブが多く含まれていることになります。

 医療の世界では、外科手術など、ソルブの技術だけで当座の問題を解決できる過程もあります。その後の療養などでは看護やリハビリというリゾルブも必要となっていきます。つまり、ソルブとリゾルブが調和して、患者はようやく健康に向かうというわけです。