ここが重要なので、覚えていてほしい。転生とは、「身体を変える」、つまり自分のもっているものを変えるものである。
「転生」と「ループ」は
似て非なるもの
さて「転生」について説明したところで、アニメ史の時代を少しだけさかのぼろう。
じつは「転生」が流行する以前に流行していたジャンルは、同じく時空移動であっても、同じ意識・身体のままで移動する「ループ」だった。
ループものと呼ばれるそのジャンルは、たとえば2009年にゲームリリース、2011年にアニメ化された『STEINS;GATE』が一躍有名になった。あるいは2011年放送のアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』もまた、ある目的から主人公がループを続ける物語である。1965年の筒井康隆のSF小説をもとに2006年にアニメ映画化された『時をかける少女』を思い出す人も多いかもしれない。
ループものの多くは、自分ではない他人を救うために、何度も時空を超えて過去改変を試みる物語だ。とはいえ、どれも安易に過去のやり直しを図るだけではなく、自分が変化させた過去についても逆説的に理解するようになる。
「ループ」と「転生」。どちらも日本のアニメやライトノベルで流行するジャンルではあるが、はたしてその狭間に存在するのは何だろうか。
ループものの例として、批評家の東浩紀は著書『ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2』(講談社現代新書、2007年)で、ライトノベル『涼宮ハルヒの憂鬱』や小説『All You Need Is Kill』を挙げる。反復する時間とそこからの脱出という主題においては、押井守の映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』が先駆的な作品であることにも触れている。これらの作品は、2000年代にライトノベルや美少女ゲームとして流行する。
なかでも東が挙げた『All You Need Is Kill』の主人公キリヤは兵士としてループするなかで、厳しい訓練を重ね身体の戦闘能力を高めることに成功する。そう、東も指摘するとおり、戦闘能力と身体能力は、別ものとして扱われている。







