「得意先の接待でキャバクラに行くことになり、『女の子も意外と楽しめるから』と私も連れて行かれました。たしかに物珍しい機会で、社会勉強にはなりましたが、最後に会計を割り勘された時には思わず絶句してしまいました」(メーカー勤務の30代女性)
単にみんなでワイワイやりたかっただけなのかもしれないが、女性がおじさんと等価の価値を得られる場なのか、もう少し想像力を働かせなければならないだろう。
一緒にいる私がちが恥ずかしい!
店員に高圧的に接する上司
また、クレームの対象は部下や後輩たちへの振る舞いだけではない。店員への態度も要注意だ。
「飲食店のスタッフに対し、タメ口なのはまだいいとしても、妙に横柄な50~60代が多いのはなぜでしょう? 自分と同世代くらいの店員になぜか高圧的に接する上司と一緒にいると、その場にいるだけで肩身が狭いです」(制作会社勤務の20代男性)
店員と客の立場を主従関係と履き違えているのか、それとも日頃のストレスのなせるわざなのか。根底に「お客様は神様」という考え方があるのだとしたら、これもやはり古過ぎる。近年、カスハラ(カスタマーハラスメント)が社会課題になっていることを知っておくべきである。
ただ、誤解しないでいただきたいが、すべての若手がおじさんとの酒席を敬遠しているわけではなく、しっかり飲み会を楽しみたい向きも多い。だからこそ無神経な振る舞いや独りよがりな言動で水を差されたくないのが彼・彼女らの本音なのだ。
「いくつに見える?」
それ、お世辞のカツアゲです…
実際、今回のリサーチでは他にも、次のようなクレームが続々と寄せられた。
「人数が多めの飲み会で場が盛り上がり始めた頃、ちょっと席を離れた瞬間に、上司が『これ、誰の箸だろう? まあいいか』と、勝手に私の箸を使い出したのには背筋がゾワッとしました」(通信系大手勤務の20代女性)
「せっかく楽しく盛り上がっているのに、一人だけずっと奥さんや家庭の愚痴ばかり言っている上司がいて、興ざめでした。愚痴を聞くためにわざわざ集まったわけではないのに……」(制作会社勤務の20代男性)
「職場の先輩だから当然、年次も年齢も把握しているのに、『おれ、いくつだと思う?』とか、『こう見えてももう○歳だから』などと、『若いですね』と言ってほしくて仕方のない様子は、本当にみっともないです。若いと思っているのは本人だけ。たいてい年相応でしかないのだから、お世辞のカツアゲはしんどいです」(メーカー勤務の30代女性)
このほか、細かいところでは「メニューを自分だけ見る」「無駄に声がでかい」「店の皿やボトルを勝手に触る」などといったクレームもあった。
ただ、こうした声に耳の痛い思いをしている人は、むしろ伸び代があるはずだ。深刻なのは、「そんな奴もいるのか」と他人事としてスルーしながら、実は同じような振る舞いをしてしまっている御仁である。
職場での忘新年会そのものが過去の遺物となりつつある昨今ではあるが、それでも古き良き飲みニケーションを大切したいのであれば、なおさらこれらのクレームから真摯に学ぶべきだろう。
いま一度、我が振る舞いを慎重に見つめ直してみて損はないはずである。







