果物と女性写真はイメージです Photo:PIXTA

果物を食べて口内が痒くなったり、喉がイガイガしたことはないだろうか。実は、これは重症化には注意を有する“とある疾患”のサインかもしれない。アレルギーなどに詳しい専門医が解説する。※本稿は、国立成育医療研究センター免疫アレルギー・感染研究部部長の森田英明編著、慶應義塾大学医学部皮膚科学教室専任講師の足立剛也編著『アレルギーの科学 なぜ起こるのか どうして増えているのか』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

果物を食べると口内が痒くなる
口腔アレルギー症候群が増加中

 皆さんの中にも「ある果物を食べると口の中が痒くなる!」という経験をされた方が、いらっしゃるのではないでしょうか。

 以前は何ともなかったのに、ある頃からモモを食べると決まって喉がイガイガするという方など、もしかするとそれは「口腔アレルギー症候群」という、立派なアレルギー疾患かもしれません。

 ニュースでも「ある小学校でビワが給食に提供され、100人以上にアレルギー症状が出現し中には入院する児童もいた」などと報道されることがありましたが、昔はそんなニュースを聞くことはほとんどありませんでしたので、ちょっと驚きです。

 つまりどうやら、最近増えているようなのです。どうしてでしょうか。果物のせいなのか、それとも人間が敏感になったからなのか、その理由を考えていきましょう。そこからは、生物が生き抜くための戦略や、現代社会が抱えるさまざまな問題までもが見えてきます。