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「酒は百薬の長」は過去の話。WHO(世界保健機関)は「アルコールに安全な量は存在しない」と発表し、少量の飲酒でもがんリスクが高まることが明らかになっている。特に、お酒で顔が赤くなる日本人は、食道がんの発症率が高い。一方、コーヒーや緑茶には、肝臓がん、子宮体がん、胆道がんなどの予防効果が。飲み物の選び方で、がんリスクは大きく変わることがわかった。※本稿は、がん専門医の佐藤典宏『専門医がやっている「がん」にならない50の習慣』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。
お酒は少量でも飲み続けると
死亡リスクを高める
皆さんの中には、お酒が好きで毎日飲んでいる人、付き合いで時々飲む人、あるいはまったく飲まない人と、いろんな方がいらっしゃると思います。
「酒は百薬の長」という諺もあり、一昔前は、少しのお酒はむしろ健康増進効果があるという意見もありました。「まったく飲まないよりは少し飲むほうがいい」という言葉を信じていたお酒好きの方も、多くいただろうと思います。
ところが現在では、お酒はたとえ少量でも、長期にわたって飲み続けると死亡リスクを高めるということが、国内外の多くの研究から明白な事実であると考えられています。つまり、ちょっとでも飲んでしまうとダメということです。
アルコールの健康被害に関して、世界中の10万人のがん患者は軽度から中程度の飲酒が原因だったという研究報告を受けて、WHOは2023年に、「アルコールに安全な量は存在しない」と発表しました。
日本の研究でも、「アルコールは少量でもよくない」という研究結果が出ています。







