まず地球の気温は過去70年間で指数関数的な上昇を続けています。この主な原因は、温室効果ガスの発生と森林喪失による悪循環など、人間活動に起因することが考えられています。
地球温暖化による異常な暑さ、豪雨災害、山火事など、皆さんも身の回りで起きている現象を既に目の当たりにしているでしょう。
地球温暖化による気温上昇と降水量増加、さらには植物の栄養源である大気中の二酸化炭素の濃度の上昇は、花粉の成長を加速させ、アレルゲン性を強くさせることが知られています。
たとえばブタクサを高い二酸化炭素濃度で生育させると、より大きく育ち、花粉の生産能力が増加し、さらには花粉による免疫反応が増強されるという動物実験の結果があります。アメリカでは気温上昇により花粉飛散シーズン自体が長くなり、ブタクサ花粉の飛散量が過去数十年で20%以上増加したそうです。
また、植物の生息地の北上(高緯度・高地への拡大)も確認され、それまで存在しなかった地域でも花粉曝露が発生しています。
アレルゲンに注目すると、二酸化炭素の濃度上昇でシラカンバ花粉中のBet v 1濃度が増加したり、気象ストレス(温度、乾燥、紫外線など)が植物のストレス応答を強化し、PR-10やLTPの発現量が増えるという調査もあります。
収穫時の気温が高いと、リンゴ中のPR-10タンパク質(Mal d 1)濃度が高くなるという報告もあります。
アレルギーを減らす取り組みが
社会問題を解決することにつながる
『アレルギーの科学 なぜ起こるのか どうして増えているのか』(森田英明編著、足立剛也編著、講談社)
このように地球で今起きている気候変動によって、私たちの花粉症自体も増え(人間側の要因)、さらに植物中のアレルゲンも増えたり強まったりしている(果物側の要因)ことが考えられ、「免疫と社会が生み出す現代病」といえます。
今回、果物に関するアレルギーがどうして増加しているのか、その背景を見直すことで、気候変動という人間の利益や都合ばかりを追求する現代の私たちが抱える社会問題までもが浮上しました。
そして、そのことは自然や生命体にも大きな影響を与えています。今こそ、地球規模で自然と共存する知恵と意識を持った新たな社会づくりを目指すことが必要です。
自然や生命体の持つ「生きるための力」や「持続可能なシステム」に注意深く謙虚に耳を傾ける大切さを、PFASは私たちに教えてくれています。







