PFASを発症する仕組みは「交差反応によるもの」という話をしました。
その病態としては、花粉症では、花粉の「あるタンパク質」に感作、つまりその形をアレルゲンとして覚えますが、たとえばシラカンバ花粉の主要アレルゲンであり、PFASの代表的な原因アレルゲンでもあるPR-10タンパク質は、下図の左側にあるような形をしています(注3)。
同書より転載 拡大画像表示
このタンパク質の仲間は植物界に普遍的に存在しているので、サクランボにも同じようなソックリな形をしているPR-10タンパク質が含まれています。ソックリさんが口の中に入ってくるのですから、体としては「花粉が入ってきた!」と感じてしまうのですね。
地球温暖化は花粉の成長も
加速させてしまう
なぜ今この病気が増えているのか、代表的な背景を1つ紹介したいと思います。
最もシンプルで考えられやすいものとして、先述の通り、発症リスクである、花粉症自体が増えていることが挙げられます。
過去50年間で花粉症を含めたアレルギー性鼻炎の有病率は世界的に増加しており、世界人口の平均約30%に達しているともいわれます。
たとえばスウェーデン(21%→31%)、イギリス(5.8%→19.9%)、イタリア(16.2%→37.4%)、韓国(13.5%→17.1%)、西オーストラリア(21.9%→46.7%)など、世界的に増加が指摘されており、その理由の1つとして気候変動の影響が指摘されています(注4)。
ではなぜ、気候変動によって花粉症が増えるのでしょうか。現在、その証拠が増えつつあります。
(注3)Hauser, M. et al. (2010) ‘Panallergens and their impact on the allergic patient’,Allergy, Asthma and Clinical Immunolog y, 6(1), p. 1. doi: https://doi.org/10.1186/1710-1492-6-1
(注4)Kim, J. & Rouadi, P. W. (2024) ‘The relationship of climate change to rhinitis’,Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practice, 12(6), pp. 1479-1483. doi:https://doi.org/10.1016/j.jaip.2024.04.012







