3シリーズ以上に
フレッシュなBMWの主力モデル
トランスミッションは7速DCT。発進や低速域というDCTの苦手な領域を、48Vマイルドハイブリッドが上手く補っていて、連携は非常にうまい。おかげで走りはいたってスムーズで力強い。アクセルを踏み増すと予想値をやや上回るトルクが生み出されるようになっているようで、力強さを存分に体感できた。
ハンドリングも優秀だった。FWDにありがちなクセはほぼなく、前輪を駆動していることを意識させない、BMWらしいすっきりとしたステアリングフィールを実現している。このあたりは開発陣のコダワリが伝わってくる。
220dは、高速道路ではグランクーペらしい落ち着きが、市街地やワインディングではコンパクトモデルらしいき軽快さが気持よかった。まさにどんなシーンでも、ドライバーを満足させるオールラウンダーである。
その点はBMWのXモデルもよくできているとはいえ、やはり背の低いパッケージングは格別。SUV系では味わえない強みがある。とくにワインディングでは、あたかも後輪を駆動しているかのような動き方をすることが印象的だった。それだけリアタイヤのグリップを有効に使うことができているからに違いない。
これほどよくなれば価格もそれなりに上がったのかと思えば、意外とそうでもない。2シリーズ・グランクーペは、ある意味3シリーズ以上にフレッシュなBMWの主力モデルである。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/横田康志朗)









